10/08/2009

スティンプメーターについて


グリーンの速さを測るスティンプメーター。


GDOのブログをなさっている方はほとんどの方がご存知だと思いますが、

仕組みは、角溝のある棒にボールを乗せて一定の斜度でグリーン上のなるべく平らなところに転がし、ボールがグリーン上で転がった距離を測定するという、非常に直接的な実際のゴルフボールを使った方法です。
4方向で測定した平均値を取ります。


↑スティンプメーターを使っているところ。

およそ測定器というよりは、現実に基づく実験・経験則値って感じですね。



地面との角度が20度ぐらいになると転がりだすようになっているボールを乗せて置く切り欠き部分はこうなってます。

(楽天のスティンプメーターを売ってるところから写真を拝借しました。)


7フィートぐらいが標準、9フィートぐらいはやや速め、5フィートは遅めとされていまして、プロのトーナメントになると10フィートとか12フィート、なかにはもっと速い14フィート、なんていうケースもあるようです。


デジタルパットを実践する身としましては、
このスティンプメーターの数字によってグリーンのスピードを表すという概念は、まさにベースになる基本のデータということになりそうです。

自分が基準にしているスピードが9フィートで、例えばその日のグリーンが8.1フィートなら10%程度遅いと考えて10歩の距離を11歩で打つ、という風に換算して応用できそうです。


・・・しかし現実は?



***

まず私は、スティンプメーターで何フィートが自分の基準の距離なのか実はよく判っておりません。(x_x;

基準は、Rio Hondoという近所のゴルフ場のグリーンが一年を通して一番多くセッティングしているスピードでして、先日お邪魔した季美の森ゴルフ倶楽部も同じくらいのスピードだった、ということは判っていますが、米国の私の周辺のゴルフ場ではスティンプメーターの表示がなされているコースがほとんど“無い”のです。

所属のスパーインテンダントさんやプロに聞きますと、「大体9-9.5フィートじゃない?」って答えをもらえることはありますが、測っても居ない様子でした。


ちょっと検索してみて、こんなことが書かれているのを見つけました。

道具と技術の木曜日: スティンプ・メーターの疑惑

要約しますと、『スティンプメーターの数値が表示されているコースは多いけれども、実際に信頼の置ける数字が書かれているケースは多くは無いようだ。』ということになりましょうか。



それと、私のもうひとつの疑問。

私が体験したことの無いような相当速いグリーン、例えば12フィートのグリーンでも、たかだか3.6mちょっとの距離で表現される訳です。
9フィートのグリーンなら、2.7mぐらい転がる。 これって、私にとっては約4歩弱の距離で、デジタルパットの内-内の距離にも満たない短い距離です。

果たしてこれを14歩とか21歩の距離に比例で換算してよいものかどうか?
長い距離を打つパットの最初の方はボールの初速も速いですし、芝の上を通過していく転がり方も、カップ周辺でのゆっくりなスピードでの転がり方とはまるで違ったもののはず。
芝目の影響も、カップ周辺でのボールがゆっくりなときの方が大きいでしょう。

実際、私の体内基準では内-内が7歩ぐらいのグリーンが基準で、これが例えば内-内で5歩の遅めのグリーンに来たとしまして、そこで14歩の距離が残っていたら、14 x 7/5 = 19.6歩の距離感で打てばよいのかといいますと、そんなには違わない、というのが私の感想です。

打ち出しの最初の部分は、グリーンの速さに左右される割合が少ないからなんじゃないかと思っています。



***

ちょっと、ググってみました。(^^;

JSGCA (日本ゴルフコース設計者協会)GCAジャーナルのバックナンバーの中に、こんな記事がありました。 95年に書かれたものです。

スパイクとグリーン
http://www.jsgca.com/06_gcajournal/gcanl03-p09.html

率直に言って、わが国の大半のコースが、スピードのあるグリーンではないのが現状である。相当、ゴルフに通じている人々でさえ、グリーンの刈り高だけを論ずるだけで、スティンプ・メーターの数字は知らないケースが多い。同じ刈り高でも、グリーン面がファームであるかどうか、肥料の分量、水分、ローラーのかけ具合、埋土の頻度等によってスピードは異って来る。

んー、95年でこんなことかかれてますから、スティンプメーターの概念が日本のゴルフ場でも流行り始めたのって、比較的最近なんですね。
(ちなみに同じ日本ゴルフコース設計者協会GCAジャーナルに、日本で1936年当時に既にスティンプメーターそのものともいえるボールを転がしてグリーンの速さを測る測定器を実際に作って書物に書いていた方の文献がある、と書いてありましたけど。)

この頃から、高麗グリーンからベントグリーンへの移行指向が高まってきて、スパイクレス・シューズにも注目されるようになって行ったみたいです。
そういえばそんな記憶ありますね。



コース設計家の小室嘉彦さんは、GCAジャーナルに次のような寄稿をなさってます。

閑話休題: スティンプメーター
http://www.jsgca.com/06_gcajournal/gca04-p13.html%20%3E%3Cspan%20style=

・・・スティンプメーターを使いグリーンの速さを知ること自体は決して悪いことではないが。その事に気を取られる余り、関係者があたかも、そのコース全部のグリーンについて均一のグリーンを作り出そうとするかに見受けられることがある。

スコットランドのリンクスに於いては無論のこと、インランドのコースに於いてさえ状況によって途轍もなく速いグリーンや、反対に遅いものがある。これが自然というものだ。


練習グリーンと、ホール毎のグリーンのスピードが違うと、ゲームになんないような気がするんですが、私は間違っているようですね。


私の好きな、富士クラシックの非常に優秀なスーパーインテンダントの石本さんのブログにも、こういう風にかかれていました。

グリーンスピード
http://fuji.classic.ne.jp/blog/2009/05/post_197.html

・・・富士クラシックは平らな部分がないので計測できないのです。自分の今までの経験でのパターで転がした場合で言うと9.5フィート????かな???
一応私の基準では、ちょっと弱いかなと思ったストロークで意外に延びてカップに届くくらいを目指しています。見た目で重たそうだが案外転がるくらい。

---(中略)---

富士クラシックのグリーンは素直な転がりを追求しています。

「芝目があったって良いじゃない。凸凹な転がりはしないのだから。順目の下りは13フィート以上転がりますよ。」
私はそんなキーパーです。




このリンク記事の写真 ↑ 、ほんとに14フィートぐらい転がってないすか?
ピンの長さとかボールのサイズとかから想像しますに。(^_-)

さすが富士クラシック、すげーなぁ。
順目の軽い下りなんですね、きっと。あんまり下っているようにも見えませんけど、芝の色も白っぽく写ってますし。


「芝目が順目のしかも下りでこのぐらいの傾斜だと、14歩の距離は10歩じゃなくて6歩の強さで打たなくては駄目」、みたいな読みは、デジタルパットの先の楽しみ、応用の部類に入って来ます。
この辺りが、まだ私は経験不足な面が出てしまうんですよね。

そういった読みが合っているか合っていないかは別にしまして、まずは(実際の距離にかかわらず)自分の中の基準の6歩の距離を、一定の加速度を持って自信を持ってストロークすることができる、ということはデジタルパットの強みだと思います。


ゴルフ歴は24年以上になりますが、経験不足と言いきってしまいます。
デジタルパット歴はまだ1年半ぐらいの新米ですので!!(^^;


10/06/2009

ロスト・キャニオンズ の2


ここは以前ラウンドして、コース紹介をしているコースです。

ロスト・キャニオンズ(ゴルフクラブ)スカイ・コース(以前の記事)


フレッド・カプルスの監修でピート・ダイが設計した難易度の高いコースです。


Lost Canyons Golf Club
http://www.lostcanyons.com


前回も36ホールあるうちのSkyコースをラウンドしましたが、日本から来た方とご一緒するということもあって今回もSkyコースです。

Shadowコースの方は、少しトリッキーな作りらしいのですよね。まだラウンドしたこと無くて、聞きかじり情報ですが。
グリーンフィーもShadowコースの方が少し安くて、いろいろディスカウント・ディールも出していたりしていつでもいけるかな感もありまして、どうしても後回しになってしまっています。(^^;


今回は、前回ラウンドしたシルバー・ティーのひとつ後ろのゴールド・ティーからのラウンドをと思っていたのですが、ちょうどほとんどのゴールドティーのティーイング・グラウンドが養生中で、全部シルバー・ティーのティーイング・グラウンドからのラウンドになりました。

木があまり生えていないロケーションで空中ハザードが無いのは私には朗報ですが、その分、風が吹き始めると距離感が難しくなって来ますね。
前回は弱風でしたが、今回はまぁまぁ強めの風(時にパターの集中力をそがれるくらい)が特に後半に吹いてきて、前回最初に写真をご紹介した17番パー3はドキドキものでした。

どのホールも、30y-56yの大きくてうねったグリーンを持っておりますので、「本日のピンポジション」は6つのエリアに区切ってあって表示されています。



写真は、前回ご紹介していなかったホールを中心にいくつかご紹介してみますね。


まずは3番ホール340yのパー4。

画像をクリックで拡大します。


トータル距離は長いホールではありませんが、フェアウエーに届くには、キャリーで220yが必要でした。
風は左から右でややアゲインスト。
かなりの打ち下ろしとはいえ、ティーショットにプレッシャーがかかりますね。

丁寧に打ってうまくフェアウエー右寄りの狙った方向に行ってくれましたが、いざカートで行ってみたらフェアウエーに入って20yぐらいのところでした。
飛ばない人は、右下のちょうどカートが写っている8番ホールのラフに打っていくことも考えなくちゃなりませんかね?



続きまして、Magnificent 7とホール名が付いている170yのパー3、7番ホールです。

画像をクリックで拡大します。


正面に写っています山がこの辺りで一番高くなっていまして、その山に向かって打ち上げている壮大な景色のホールです。
右手前や左奥にあるバンカー群に入れると厄介なのですが、・・・入れてしまいました。(笑)

コース全体がこの山の方向から下っていると考えて、各グリーンのグリーン上で感じる傾斜に加味して考慮をしてラインを読むと、案外いい読みになってくれます。
それを考慮しませんと、うねったポテト・チップグリーンとも相まって、「あれ?登ってると思ったのに、あんなに行っちゃった?」「どう見てもフックラインなのに右に坂登ってったよ?!」なんて錯覚をしてしまいます。(日本からみえた方々、とても上手な方なのですが苦戦していらっしゃいました。)

かくいう私もひとつ、フックラインの返しのパットがなぜかまたフックラインで、完全に読み違えて3パットしてしまいました。(10番ホールです。)



次の写真は12番ホールのうまく打てれば2つで届く可能性のある535yパー5ですが、その次の13番パー3や、左に見える14番ホール、さらには正面の小山を回りこむようにして最初の写真でご紹介した3番ホール(右後ろ)や、次の4番ホール(左後ろ)まで見渡せる、非常に見晴らしの良い素晴らしいロケーションです。

画像をクリックで拡大します。


ティーショットは左右にブッシュがあってけっこうプレッシャーはかかりますが、気持ちのいいティーショットです。
ティーショットがいい当たりでフェアウエーに打てれば2オンも可能ですが、グリーンへのアプローチは右のブッシュ越えになりますし左も川のあるブッシュになっていますから、私は無理をせずにグリーン右手前の花道のエリアにレイアップしました。

そこからのチップショットは、硬いグリーンでおもったよりつつーっと行ってしまい、10歩(約7m)を残し、惜しくもボール1個外れてバーディーはなりませんでしたが、満足のパーです。



そしてやっぱり17番150yパー3の写真はもう一度載せましょう。

画像をクリックで拡大します。


この日のピンの位置は、なんとグリーン一番奥の左の端っこです。
グリーンの後ろもすぐ崖になっています。

そんなとこ、狙えるわけ無いじゃん!ってピン位置ですし、このグリーンは斜めに細長くて53yもありますので、グリーンセンターから比べますと距離も20yプラスの170yぐらいですね。
そして、縦の幅は狭いんです。15yぐらいしかない。

風もやや強くなってきましたので、ユーティリティーでノックダウン気味にもう目をつぶって打つ気持ちでグリーンセンターに向かって打ちました。
低いフック気味の弾道で、右から行ったボールはグリーンセンターに落ち、ピンに向かって転がっていきました。

ずいぶん上手いこと打てたのですが、最後ぎりぎりでグリーン内に止まりきれず、グリーンをコロッとこぼしたのは見えたのですが、まさか後ろには長い芝など全然無くて、そのまま谷底に行く仕様になっているとは覚えていませんでした。(x_x;

ラテラルの赤杭が打ってありますので、ピンに近づかないところ(・・・は無いから、横に移動したんですが)にドロップ(・・・てか、正式にはドロップですがボール3個をむざむざ谷底に転がり落とすことになってしまいますので、途中の手順を省略して崖ぎりぎりにプレースしました。)、ボギーにしました。

なかなかいいショットだったんだけどなー。



前回トリプルボギー、今回ダブルボギーと私が苦戦している18番420yパー4のティーはこんな感じです。

画像をクリックで拡大します。


写真ですと判りにくいのですが正面にV字型に見えているフェアウエーに向かって打ち下ろします。
その先は、直角に左に曲がるようにして左手の丘の裏側へ打っていく訳です。

フェアウエーは右には縦長の長いバンカー群があったりしますし、風も吹いて落しどころが難しく見えるのですが、左側はやや広くなっています。
でも、その広くなっている左側へ行ってしまうと、2打めが完全にスタイミーになり、もうひとつの丘越えでグリーンに打っていかなければなりません。

うまくこの写真の正面辺りの位置に、距離の出るドライバーが打てれば、転がり落ちて行ってくれてたかだか110-120yぐらいのセカンドショットになるのでブッシュに囲まれたグリーンにもアプローチしやすいのですが、かなり今日一に近いティーショットが必要です。

私のようにティーショットを左に持っていってしまいますと、160yぐらいのブラインド・ショットを左の丘の斜面越えで打たねばならず、グリーン右手前へのレイアップも考えなくてはいけない状況になってしまうんです。

私は、もしバーディーなら・・・って皮算用も(笑)、最後のホールだ、しっていう気持ちもあって、果敢に見えないピンを狙っていきました。
結果、風を読み違えたか打ち下ろし度合いを読み違えたか、グリーン後ろのバンカー横の芝の長いラフに行きました。
そこからのサード・ショットもグリーンをミスで、万事休す。


でもまぁ、このところ不調だったことを考えれば、なかなかいいラウンドができました。

夏ほど暑くはありませんでしたし、気心も知れているしマナーも良い、ゴルフが上手な方たちと楽しくプレーができて、気持ちのよいラウンドでした。(^^)


10/01/2009

アメリカンリーグ西地区ディビジョン優勝


私が愛してやまないエンジェルズが、メジャーリーグのアメリカンリーグ西地区優勝を成し遂げました。
ここ6年間で5回目の優勝ですが、今年の場合は格別な思いがあります。




上の写真はセンターフィールドにある、今年4月8日に6イニング無失点の好投を魅せた晩に免許停止中に飲酒運転をしていたドライバーに突っ込まれるという衝突事故に遭って亡くなってしまったニック・エイデンハート投手のパネルの前にプレイヤーみんなが集まって撮られた写真です。

ゲーム後に、プレイヤーたちが恒例のロッカールームでのシャンパン・ファイトの最中にグラウンドに出てきて、ニックのパネルに駆け寄りました。

シャンパン・ファイト中にも、誰かしらがニックの34番のジャージを掲げ、一緒にシャンパンやビールを浴びていました。


22歳のルーキーながら開幕ローテーションに加わり、開幕3戦目での登板という重要な役割を立派にこなし、やっとメジャー・プレイヤーとしてのスタート地点に立ったばかりの誇らしい日に起きた悲劇でした。


プレイヤー達はどこと無く心ここにあらず、野球に専念できていない、と言った様子が続いてしまい、ローテーションの柱の一角を事故で失ってしまったことに加え、主軸のプレイヤー達の故障も相次ぎ、チームは片足を引きずるような状態でのゲームが続き、マイナーのAAAのプレイヤーを総動員するような格好でシーズンは進みました。

先発投手陣が踏ん張っていた時期には打線が低迷しリリーフ陣がゲームを落とす。リリーフ陣が頑張っていた時期には先発陣が早い回にゲームを壊してしまう、といった調子で、今年のペナントはかなり危ぶまれました。
(6月11日の時点でまだ29勝29敗と5割ラインをうろついていて、1位のテキサス・レンジャーズに5.5ゲーム差を付けられていました。)


そういう意味では、今年のシーズン優勝はちょっと今までとは別格なのです。


ディビジョン優勝の決定するゲームは、これから始まるポストシーズンのシリーズに向けて重要視しない向きもありますが、やはり長いシーズンのリーグ戦に優勝するということは、短いシリーズを勝ち抜くというのとはまた違った意味があるわけでして、私もファンとして球場へ足を運んで応援して来ました。

日本のように、胴上げがある訳ではないのがちと残念ですが、地元で勝って優勝を決める、ということは日本のリーグ優勝同様にとても意義があるイベントです。



最後のアウトを獲った瞬間。
観客も総立ちですね。

胴上げ(はしませんが)投手は、シングルAの頃から応援していて私がもっとも贔屓にしているアービン・サンタナ投手です。 いつもこの人の54番のジャージを着て応援に行きます。

アービンも今季はひじの故障もあってものすごく苦しんだシーズンでしたが、最後はなんとメジャーでは珍しくなってしまった完投勝利で、それも完封で飾ってくれました。
先発投手が胴上げ投手になるっていうのは、近頃ではあまり見られなくなってしまいましたね。


ニックのジャージです。
親友だった、ジャレッド・ウィーバー投手が掲げています。



エンジェルズの放送は、ヤクルト・スワローズで活躍しミミズ男の異名も持っていたレックス・ハドラーが解説です。
彼の場合は解説というよりも、大応援団、みたいな感じですが。(笑)



来週からポストシーズンのシリーズが始まりますが、ホーム・ゲームは全部応援に行くつもりです。

今年はプレイヤー全員が、ニックと共に戦う気持ちを心に秘めています。






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追記です。

パター・グリップの記事に有益情報を追加しました。


masan72pt。さん、ありがとうございました。m(__)m