3/06/2009

池の方にボールを打ったとき(裁定集から-3の2)


お友達(というより色々教えてくださる良い先輩です)のノリさんから、ルールに関する記事に大変興味深いコメントをいただきました。

勉強のため、この件についてもっと詳しく掘り下げてみたいと思います。

すでに裁定集に挙げられている事例の、さらに細かく掘り下げたお話ですので、私が書くことが完全に正しいかどうかは判りません。
みなさんであらためて考えてみたり、論議したりできるような内容になれば、と思います。


まずはコメント欄でのやり取りを再掲します。

***

(ノリさんコメントから池の部分の抜粋)

暫定球を打っては行けない場合も知っておくべきですが、ハッキリしているのは一つあります。
池の方向に行った場合の暫定球は、認められなくて、暫定球を打った瞬間に正球と見なされ、しかも練習???おっ、何打罰だったっけ・・調べておかなければ・・・・
兎も角、池方向の場合は行ってみて、池に入った確証がなく、ボールが無い場合は戻って打ち直しをするものだと先日教わりました。
池に入ったかどうか分からなくてロストの危険がありそうな場合、暫定は打てないと言うことなんです。
おっと、池方向??池が見えなくて初めてのコースの場合はどうなんだろう?・・
二つ調べておかなければ・・・
ルールて面倒だけど面白い。
何故そういうルールが出来たかを知るともっと面白いですね。




(私のリコメからの抜粋)

池に入ったのが確実に思われる場合は、おっしゃるとおり暫定球は打てません。
さすが、ノリさん。(^^)



>暫定球を打った瞬間に正球と見なされ

おっしゃるとおりですので、3打目をすでにプレーしたことになります。
そんなに厳しいペナルティーではないですね。(言わば前3に近い有利かも知れないウォーターハザードの措置を取り損なった、というだけで、普段のプレーでは、アリだと思います。)


>兎も角、池方向の場合は行ってみて、池に入った確証がなく、ボールが無い場合は戻って打ち直しをするものだ

これは明らかにスロープレイに繋がる、私に言わせればルール的には間違ってはいないけどマナー的には好ましくない、その方の思い込みだと思いますよ。(^^;

池の“方”へ行っただけなら、池の外でロストをする可能性があるということで暫定球を打つことは実は出来るんです。
ちょっとファジーな感じの裁定ですね。 27-2a/2.2
でも合理的だと思います。

果たして池の中で見つかった場合と、結局見つからなかった場合で、次打の処置が変わってきます。


初めてのコースなどで、池の周りの状況が判らなくてロストの可能性を考えて暫定球を打ったが、池に向かうにつれ、「ありゃー、このでかい池じゃどう見ても池だわ。」ってなった場合は、面白いのですが、暫定球は暫定球として扱われます。3打目をプレーしたことにはなりません。

しかしながら、池に入ったことが確実になったので、この時点で暫定球は破棄し(破棄しって言ってももし水の中に見つけて拾ったらポケットに戻していいんですが(笑))、ウォーターハザードの処置を取ります。


まぁ、競技会で無い限り、戻って打つのは「やり過ぎ」と私は考えます。
その程度のルール違反は、40km制限の道路を42kmで走った程度の違反で遵守してらんない、という見解です。

我々素人はフォアキャディーも居なくてラウンドしてるんですから。


***


こういうやり取りでした。

>兎も角、池方向の場合は行ってみて、池に入った確証がなく、ボールが無い場合は戻って打ち直しをするものだ

という状況をよく考えてみます。




行ってみないと判らないのは、何でしょうか?
池に入ったか入らなかったか自体が判らない、という風に私は読み取りました。

行ってみると、池に落ちて沈んでいるボールが見える、というケースは非常に稀だと思います。


ウォーターハザードの処置を取るには、基準になるポイントが分からないと出来ません。

「ボールがハザードとの境界線を最後に横切った地点」を特定できるか、もしくはボールの沈んでいる位置を視認してボールが自分のものである合理的な理由が存在し(または拾い上げて確認し)、最後に横切った地点が合理的に推測できる、などの条件が必要です。

プロのツアーや、アマチュアでも正式の公式戦の場合、こういったホール(池がティーイング・グラウンドから部分的にブラインドになっているとかのホール)にはフォアキャディーが待機していたり、ギャラリーや競技委員が居て、「ボールがハザードとの境界線を最後に横切った地点」を大概は特定できる、ということがあります。


裁定集の事例には、主にこうした競技で実際に起きた具体例を元に、裁定されたものを記述していますから、『行ってみないと判らない』ということの意味が、我々のラウンドでは違ってきます。

これが、仮に研修会や練習ラウンドなどの場合、「ティーイング・グラウンドから見ていて判らない」ものが、「行ってみると判る」というのは、ボールが無事に見つかった場合という、非常に限られた状況になってこようかと思います。


つまり私は、例えこれが競技会の場面であっても27-2a/2.2に従って、暫定球を打つことが合理的だ、と考えます。

27-2a/2.2の他に、27-2a/2.5 (初めの球はウォーターハザードの外で紛失したかも知れないと思い暫定球をプレーしたあとで、ウォーターハザードの外で紛失という可能性は全くないということが分かる) という事例も参照してみていただきたいと思います。


一方、ピート・ダイ設計のコースの池によく在るような造りで池には木枠が付けてあり、池に入っていない限り周りはほぼフェアウエイか、非常に短く刈られたファーストカットのラフで、池の外では到底ロストはしないのだ、というような状況だったとしますと、『暫定球を打つべきでは無い』という裁定になってこようかと思います。
この場合は、「兎も角、池の方向へ行ってみて、ボールが無い場合は戻って打ち直しをする」ことになろうかと。

ただしこういう設計の池で、池をティーイング・グラウンドからの死角に入れるというホールは、まず無いんじゃないかな? と私は思いますけれどね。


私が思いますに、こうしたブラインドの池があるコースは、適当なドロップエリアを設けておくか、または競技会を行う場合にはこのホールに必ずフォアキャディをつけるべきであろう、と思う次第です。



我々アマチュアのラウンドには、裁定集でも想定されていないことがいろいろと起こり得ます。

例えば、フェアウエイ脇のボールを見つけるにはさほど深刻でないファーストカットのラフにボールが行ったはずなのに、行ってみたところ、無い。
どうやら隣のホールをプレーしていた組の誰かが拾って行ってしまったらしい、などということも起きたりするでしょう。
たまたま引っ込みきらなかったスプリンクラーヘッドにたまたま当たってしまい、想像も出来ない方向にキックして見つからなくなってしまったのかも知れません。

プロの競技と違い、判らないものは判らないのです。


こういう時に、厳然とティーイング・グラウンドまで戻って打ち直すべきなのでしょうか?

合理的な推測が元であれば、(多少緩いと思われる方もいらっしゃいますでしょうが)私ならば 18-1/5を参照し、『その球が止まっていた可能性のあるいくつかの区域のうち、プレーヤーにとって最も有利な区域と最も不利になる区域を避けたそれ以外の区域に、球をドロップ』します。

厳密には、獲られてしまったボールを取り返し、自分のボールだと確認できない限りはロストボールなのですが、勝手な疑いをかけて隣のホールのグループに問いただすほどの勇気と言うか傲慢さと言いますか、そういったものは私は持ち合わせておりません。


正式の競技会で無い限り、そこまでの厳密な処置は、スロープレイを引き起こすだけで後ろの組に対しても迷惑です。(もちろん正式な競技会では戻って打ち直すべきです。)
そもそも1グリップ以下のパットを(余程のサイド・ラインでない限り)OKにして時間短縮を図ってプレーしているようなラウンドですから、ルールを遵守して居りませんのですね。



なんか、ちょっとぐだぐだ気味になって来てしまいました。(^^;
今日はこの辺でやめときます。(笑)


私は、基本的には気分よく楽しくプレーするのがモットーです。

例えば全部6インチプレースしながらプレーしている人が居ても、他の人のことは全然気になりません。(^^;


***

シリーズの過去ログ

バンブル・ビー(裁定集から-1)
ルース・インペディメント(裁定集から-2)
ボールはあるがままにプレーすればいいってもんじゃないんだよ?!(裁定集から-3)


3/03/2009

キャロウエイ・サングラス(H304)


ゴルフ用のサングラスが2つとも壊れてしまったため、新しいのを買いに行きました。


キャロウエイの、H304っていうカタログではデビッド・レッドベターがかけているタイプの、レンズの色が黄色っぽくて明るいサングラスです。
ハイブリッド・シリーズっていうのは金属のチタンフレームとプラスチックの組み合わせだからそういう名前になってるっぽいです。

これです。

Callaway Sunglasses(H304)


画像をクリックで拡大します。

なんか、ボールが入っていそうな箱に入ってますね。(笑)


ゴルフ用のサングラスを選ぶに当たっては、私にはいろいろと今までの経緯がありまして、それをちょっと書き留めておこうと思います。(^^)



さかのぼること約20年前、例によって例のごとく、NASAの技術者が開発し、Air Forceが採用したとかいうサングラスを大リーグ観戦旅行中に見つけまして、購入するところから始まります・・・。(笑)
(なぜか私は、その手の商品が好きなんですよね・・・。)



TVショッピングは裏切られることも多いのですが(笑)、このサングラスは非常に気に入りました。

当時、TVで盛んにインフォマーシャル(いわゆる日本でいうテレビショッピングっていうやつです)でやっていて、ホテルで見て欲しいなー、って思ってたんですよね。

BluBlocker(TM)っていうサングラスです。
名前の通り、青色の光と紫外線をカットします。


当時のTVの宣伝では、

・真夏のギラギラして景色がぼやけるような日にこのサングラスをかけると、くっきりはっきり見える。(ギラつきによるぼやぼやは青の光の波長に拠る滲みが原因なんだそうです。)
・黄色っぽいいろの明るいレンズで、例えば夜の運転にも使える。
・ものすごく見づらい逆光でも、なんとか見える。

という風に言っていました。

全部、本当でした。


で、ですね、当時ゴルフに関してはなにも言われていなかったんですが、このサングラスをかけると芝目がはっきりと見えたんです。
オーバーシードして出てきた芝の新芽と、元からある古い芝も、色がくっきり違って見えます。

その他にも、ホームコースには箱根越えで霧の中を運転することが多かったのですが、霧が出ている時は、肉眼よりもこのサングラスをかけている方がかえってハッキリ見えます。

実に優れものでした。
当時の商品は、コンピュータのモニタ上の青い線がまるっきり見えないぐらい極端な処理がしてありました。

このBluBlocker(TM)サングラスは、今でも売っているのですが、そこまで極端な処理が為されておらず、そこら辺の胡散臭い値段の安いだけのサングラスのようになってしまっているのです。

http://www.blublocker.com/


私はこのモデルを買い直してみたんですけどね。壊れやすいし、レンズ性能もあんまりよくないです。


BluBlocker(TM)のテクノロジーは、実はこちらのサングラスに引き継がれていました。


Eagle Eyes(TM)
http://www.eagleeyes.com/technology/technology.lasso

鷹の目のように、より遠くまでよりハッキリ見える、という商品です。
NASAが開発して、Air Forceに採用されたことになっています。


レンズの加工技術に関しての説明はこちらです。
http://www.eagleeyes.com/technology/lens.lasso

紫外線と、悪玉の青い光を100%カットする、となっていますから、かつてのBluBlocker(TM)と基本技術は同じで、保護コーティングの層が外側に加えられ、鷹の目のような深みのある金色~琥珀色のレンズになっています。

私はEagle Eyes(TM)のうちの、このモデルを購入して、運転に愛用していました。

ただ、ゴルフに使うには、オークリー型とでも言いましょうか、視界がワイドレンジになっている方が使いやすいんですよね。


どちらも特にゴルフ用として宣伝はされていませんでしたが、私は芝を読むのにこれほどの優れものは無い、と勝手に思っていました。

ただ、こうした商品の駄目な点は、値段を安く設定しているために、どうも壊れやすいんですよね。
私の扱いが杜撰なのかも知れませんが、かけたまま着替えとかしてちょっと引っ掛けてバキっと折れちゃったりとか。
もっと値段かけてしっかり作ってくれたら言うことなしなんですが。


もうひとつ、ゴルフチャンネルではゴルフ専用のサングラスとして、時々こんなサングラスがインフォマーシャルで宣伝されています。

Peak Vision(TM)
http://www.peakvisionsports.com/golf


野球用、サイクリング用、といろいろ種類は出ているのですが、ゴルフ用には、「グリーンを読むための眼鏡」として12種類ほどタイプが用意され、デビッド・フラファティや、ビリー・アンドレードが宣伝に一役買っています。

http://www.peakvisionsports.com/

このサングラスのテクノロジーは、空が見える上の方は濃い色にして、グリーン面を見る部分は黄色っぽい(おそらく青色の光を防ぐ)2重構成になっている、というものです。

芝がね、本当にくっきりと見えるんですよ。


まだお試しになっていない方は、是非お試しになることをお奨めします。
出来ればEagle Eyes(TM)がいいですけどね。
非常に安いですし。

真面目な話、特に初体験の方は、びっくりなさると思いますよ。



こういった経緯でいままでゴルフ専用にサングラスを数々持っていたのですが、全部壊れてしまいまして。
今度は何を買おうか?っていうところだったんですよね。


キャロウエイで出ているサングラスは、どれもレンズが黄色っぽい明るめの色になっています。
値段も安くありませんし、作りもしっかりしていそう。

レンズの色にピンと来まして、これで行ってみるか?ということになりました。

今度のラウンドがちょっと楽しみです。♡


***

追記:
このキャロウエイのサングラスは、より自然(肉眼)に近い色合いで見えるように出来ていますね。
Eagle Eye(TM)などは、全体に少しだけ黄色っぽく明るく見えます。
芝目が見えたりする効果は、Eagle Eye(TM)の方が全然効果が高いです。

が、トータルとして非常に良い出来だと思います。


今回、記事を書いたことによりまして、Eagle Eye(TM)の良さも思い出し、以前購入した当時無かったスポーツ用デザインをオーダーすることにしました。(笑)

H304も気に入ってます。(^^)



3/01/2009

チェスター・ワシントン (ゴルフコース)


リビエラの記事の時に、LA周辺の古いコースはけっこうKIKUYU芝を使っているはずですよ、と、サンディエガンさんに教えていただきまして、スルー・ザ・グリーンにKIKUYU芝、グリーンにPOA芝というリビエラと同じ組み合わせのゴルフ場を探して、芝を体験しに行って来ました。(^^)


Chester Washington Golf Course
http://chesterwashington.americangolf.com/


1953年のオープンで、Billy Bell氏の設計です。

バックティーからでも6,273yしかない(パー70ですけど)古い市民コース、といった趣のコースでした。コースレート/スロープは69.8/119です。
ですから、芝の種類だけで、リビエラとは全く違いましたね。(^^;

これは、6番ホールの写真です。
いかにも古い感じの、値段も手頃なパブリックのゴルフ場って感じでしょうか。

画像をクリックで拡大します。


あまりラフには入りませんでしたが、やはりラフに入ってポコンと沈むとキツい芝ですね。
逆目のアプローチが無くって良かったです。
逆目のところへ行って素振りしてみたら、「こりゃ駄目だ。」って感じでしたもん。

画像をクリックで拡大します。


POA芝のグリーンの方は、わりとモコモコして遅そうに見えるんですが、意外に傾斜によってはシャーって流れて行っちゃって、えらいびっくりしました。

4番の3パットは、サイドラインの9歩の距離で、ほんのちょっと距離感が長かっただけなのに谷側に外したパットが、傾斜で勢いがついてするするーっと6歩も行ってしまいました。

画像をクリックで拡大します。


ここでは本当のKIKUYU芝の厳しさを体験できたとは言えなさそうです。(^^;

でも、この日は、かなり強い風が吹いていました。
空港にも近いんですが、風が吹き抜ける感じの立地でした。


9番の445yパー4は、ティーショットが池越えで池の向こうからぐんと降りていくレイアウトで、2打め地点の前のグループが見えません。
そこに、面白いものを見ました。これです。↓


画像をクリックで拡大します。


ティーイング・グラウンドの後ろに高々と鏡がしつらえてあって、ティーショットを打つ前にこれを見て、前の組が居ないかどうか安全を確認するためのものです。

こんなの初めて見ましたよ。(^^)

このホールは長いですけど打ちおろしていて、届くかなー?と思ったのですが、この日はまともなアゲンストでしたので、ドライバーも2打めの3Wもそこそこの当たりで打てたにも関わらず届かずにグリーン前のガードバンカーに捕まりました。
同伴した地元のプレイヤーに聞いたところでは、このホールはいつもアゲているんだそうでした。