ラベル ルール関係 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ルール関係 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

4/23/2022

Dylan Frittelli の頭上ショットとルール上のペナルティ、64年を経たサムスニードとの関係 (RBC Heritage 2022)

Sand Canyon CC の Desert Course の 8番ホールのグリーン後ろに、アガベの花がたくさん咲いていたのでホールを振り向いて写真を撮りました。


アガベっていうのはサボテンの一種で、テキーラを作る原料になります。

このコースは、以前 Robinson Ranch GCっていう名前でした。その時にご紹介をしています。
とても綺麗なコースです。ちょっと遠いのですが。


---

さて、題記の件ですが、先週の ジョーダン・スピースが優勝した RBC Heritage の最終日に面白い事件が起きていました。


7打差の 4アンダーで来ていた 6番ホール、Dylan Frittelli のティーショットはフェアウエー左サイドの木の上、もしゃもしゃした葉っぱの中に止まってしまいました。


こちらが Golf.comの記事です。
Pro amused, saddened by bizarre penalty: ‘The rules of golf remain undefeated’ (プロもびっくりの奇妙なペナルティ:  やっぱりゴルフルールには敵わない)


木の上の葉っぱの中にひっかっかっていたボールは、頭の位置より少し高いくらいの場所で、ボールの確認はできたようです。

そこで Frettelli はドライバーを持って頭上に掲げ、剣道のお面を打つようにしてパチンとボールを打ち出し、約20-30yくらいでしょうかね、フェアウエーにボールを出しました。

そしてそこからの 3打目はグリーンへすごく良いショットを打って、ワンパットで沈めなんとパーをセーブして切り抜けました。


ご本人のインスタグラムに、その時の様子の動画が上がっています。
   ↓


こちらがキャプチャー画像です。




見事なパーセーブだったのですが、ラウンド終了後にルールオフィシャルから「このプレーは 2打罰になる」と告げられ、3アンダー、56位でのフィニッシュだったはずが 66位に順位を下げてしまいました。(以前は失格扱いでしたからこれでもだいぶマシになりましたが。)


これはルール的にどういうことかといいますと、今から60数年前に遡ります。

タイガーが生涯最多勝利数 82勝で並びかけているゴルフ界のレジェンド、サム・スニードが1960年代にショートパットのイップスにかかってしまい極度のスランプに陥りました。

このときにスニードが編み出したのが、クロケットスタイル、と呼ばれたパッティングスタイルで、体の正面にパターをセットして股の間から前に向かって振り出すようにしてパットしました。


このパッティングスタイルは、ボコボコ入りましたため、68年にはルール上で禁止されてしまいました。

プレーのラインを両足でまたぐことは禁止になり、そこでサム・スニードがまたまた編み出したのが、サイド・サドル・スタイルと呼ばれているパッティング法です。こちら。



現在では、サイド・サドル・スタイルのパッティングをするゴルファーは長尺のパターを使っていることが多いかと思います。

このときにUSGAならびにR&Aは、おそらくグリーンの外からでもクロケット・スタイルでプレーすることを想定していて、パッティングに限定することなく、プレーのラインを両足の間に跨いでプレーすることを原則として禁止しました。


そういう訳で今回、クロケットスタイルとはなんの関係もありませんが、 Dylan Frittelli の上の動画とキャプチャー画像のボールの打ち方は、プレーのラインを跨いでしまっているために違反となってしまったのです。

これはですね、元々のルールの意図としては、かなり理不尽です。
両足を揃え、少し体を横にずらしてプレーのラインから外れておいてボールをはたき落とせばセーフだったのですけれどねー。

今回の件は、ルール上とてもめずらしい案件だと思いましたので取り上げてメモしてみました。



6/19/2019

ゴルフクラブを海にぶん投げ…たことあります? (Lucas Bjerregaard)


いやー、今年の US Openは見ごたえありましたねー。

ブルックス・ケプカの US Open 3連覇がかかってましたし(惜しかった!)、ローリー・マキロイはカナダ・オープンのぶっちぎり優勝で勢い付けて来てましたし、タイガーも一つ前のメジャー、マスターズを優勝して乗り込んできてましたし。
なにしろ あのペブルビーチでの開催ですし。(^^)




優勝したゲーリー・ウッドランドは最終日にこれまでにはできなかった3日目終わってリードした状態からクローズアウトする強さを見せて一皮むけた感がありますね。

写真はクリック先のサイトから


次のメジャー、 Royal Portrush Golf ClubでのThe Open (全英オープン) も楽しみです。


---


そんな中、私がちょっと気になってしまったのがこちらの出来事です。



初日の 18番で 11を叩いてしまい、なんとドライバーを海に投げ込んでしまいました。

ルーカス・ビアーガード (Lucas Bjerregaard) というデンマークのプレイヤーです。
ヨーロッピアン・ツアーで 2勝を挙げているそうです。

今年の3月に、WGC-Dell Technologies マッチプレー選手権のクォーターファイナルでタイガーに勝ち、『子供のころから見ていた夢がかなった。』って言って感激していましたね。
(そのあとのセミファイナルでマット・クーチャーに敗れています。)

ケプカが優勝した今年の 5月末の PGA Championshipでは、3日目に 17番ホールでホールインワンを達成しています。


17番まで +3のスコアで来ていたのですが、この18番のティーショットをドライバーで左の海に。



続く打ち直しのショットも左の海に打ち込み、3度目のテーショットもドライバーで、今度は右の OBに。



それで ドライバーを海にぶん投げてしまったんですが、

...クラブを海に投げ込む機会ってそうそうないですよね?

池は結構あるかもしれないですね。普通はボールくらいにしておきます。
(そういえば、ローリー・マキロイがドラールで池にクラブをぶん投げたことありましたっけね。2015年か。)

この人が18番をプレーした時間帯は、夕方の満潮に近い状態だったんでしょうか。
ドライバーって、結構繰り返し微調整とかして、エース・ドライバーを持ってたりしないんでしょうか?
まぁこんだけ大事な場面で左に右に曲げちゃったらもう要らないのかもしれませんですが。


今大会では、昨年のマスターズチャンピオンのパトリック・リードも 2日目の 18番でフロップショットをミスしてしまい、ウエッジを腿で真っ二つに折っています。

https://www.golfdigest.com/story/us-open-2019-watch-patrick-reed-snap-a-wedge-over-his-knee-in-a-mesmerizing-burst-of-rage



最近でも印象に残ったのが、2016年ホンダクラシックの最終日、15番のPar 3で池に入れた後にボキッてやった、スマイリー・カウフマンです。

https://www.sbnation.com/golf/2016/2/28/11129950/honda-classic-smylie-kaufman-snaps-club-shane-lowry

「You F○○○ing idiot!!」って叫んで。

こういうときに、「スマイリー (Smylie)」なんて名前を親が付けちゃうと余計に印象に残ってしまいます。(笑)


私なんぞは、もっぱらお金を払ってゴルフをやってまして、プレーしててこんなに腹立つってことはありませんけれども、プロじゃなくてもクラブ投げたり叩きつけたりするゴルファーの方々はいらっしゃいますよね。


特にそういうのを批判したいわけでも何でもないのですが、このペブルビーチの US Open での 2件を見て思ったのは、このプロたちは案外冷静に計算しているんじゃないかな、ってことです。

ルーカス・ビアーガードも、もしかしたら『海に投げるチャンスは滅多にないぞ。』って頭の片隅で思ってたりしたかもしれません。
どうかすると、『みんな俺のこと覚えてくれるかもな。』とかも思ってたりして。

二人ともね、18番でしょう?
クラブ破損したり、無くなったりしても、補充できちゃうから支障ありませんよね。

私はこの際、“故意の”クラブの破損、紛失には大会中ずっと最後まで4日間補充をさせないルールを導入すべきと考えます。


そうやって見ると、放送禁止用語まで叫んじゃって、15番でやっちゃったスマイリー君なんかは、本当に頭に血が上っちゃった感じでむしろ好感持てますね。 普段がスマイリーだけに。



(ホントかよ? こんなこと書いちゃって良いの? (笑))





1/29/2019

Flag in ... or flag out? (ピンは立てたままパットする? それとも抜く?)


先々週末は友だちとMarshall Canyon GCに行ってきました。



紅葉がきれいですね。
(南カリフォルニアですので、こんな時期に紅葉してたりします。)
コース内に、何組もの鹿の家族が暮らしている模様です。

山のへりにありまして コース全体がかなり傾いていますので、ティーショットも斜面を考えて打っておかないと全部流れていきます。
グリーン上に立ってしまうとホール全体の傾きが見えなくなってしまって、なんだかボールが坂を上る方向に曲がっていくような錯覚を起こしてしまします。
前半のパッティングはものすごく苦労しました(というか外しました)が、後半は長いのがやけによく入ってくれました。



---


今年から新ルールで変更された中に、旗竿をカップに立てたままパッティングしてよい、というのがあって、みんなこれについて議論しあったりしていますが、そろそろ落ち着いてきた感じでしょうか。

PGAのツアー・プロも、まずはいち早くブライソン・ディシャンボーが『僕はなるべくピンを立てたままプレーするよ。』って表明して物議をかもしましたし、先週のトーリー・パインズで行われたファーマーズ・インシュランス・トーナメント見ていましても 2位に入ったアダム・スコットはショートパットに至るまで全部ピンを立てた状態でパットしていました。

立てたままパットした方がカップインする確率が高いのは実証されて証明済み、という空気に落ち着いてきています。

ただし、ツアープロの間でも、我々通常のゴルファーの間でも、やっぱりピンを抜いてパットしたい、という方々は少なくない様子です。

そもそもね、プレーのスピードアップのためにこのルールが導入されたのですけれども、ピンを立てたままカップインして、さらにピンを立てたままボールをカップから拾おうとする人が多いんですけど、これが結構時間かかったりします。(笑)


私としても、この議論にカーブボールを投げておこうかと思います。


まずはこちらのデータ。

イタリアのプロモリナリ兄弟のお兄さんが実験してみたところ、ピンフラッグを抜いてパットした方が有利な場合があるという結果を得ました。
このデータ、あまり出回っていませんので意外ではないでしょうか?

Edoardo Molinari conducts pretty scientific putting/flagstick experiment — and the results may surprise you

クリックで元記事サイトの画像にリンクしてます。


表の中で緑に塗ってある部分のデータはピンがあった方がカップインしやすいけれども、赤く塗られているデータは、ピンを抜いた方がカップインしやすい。という結果になっています。

モリナリの実験では、カップの中央にちょうどカップインするスピード、カップの後ろの淵(壁)にボールが当たるスピード、空中に跳ね上がるスピード、の 3種類のストロークの強さで比較しています。

カップの後ろの淵(壁)にボールが当たるくらいのスピードで打った場合は、ピンに当たるアングルとピンを擦るアングルの両方でピンが無い方がカップインする確率が高いというデータですね。

これはピン立て派に対するひとつの反旗を翻すデータになっています。



My Golf  Spy.comで掲載されていたデータも載せておきます。
こちらは基本的には1990年にデーブ・ペルツがすでに行っていた実験の焼き直しですね。
ツールも同じもの (True Roller) を使っています。

TESTED: FLAGSTICK IN (VS) FLAGSTICK OUT?

クリックで元記事サイトの画像にリンクしてます。


ほぼすべての条件において、ピンを立てたままパットした方がカップインの確率は高い、という結果になっています。

ストロークの強さとしては、(カップがなかったら) 3フィートオーバーするスピード、6フィートオーバーするスピード、9フィートオーバーするスピード、の3種類です。
ピンに当たる角度としては、ど真ん中と少しずれてあたる位置の2種類。

二つの表がありまして、真っすぐなピンと、ハイコアになっていて下の方を細くしてあるピンの2種類で行われています。



どちらの実験も、詳しくは書かれていませんが、平らなグリーンで行われた実験のようです。

これに加えまして、デーブ・ペルツの本に書かれている実験は、1990年に、グリーンの外からチップインを狙うケースを想定してグリーン上で True Roller を使って転がして実験されていまして、もっと条件は多く球数も多く実験されています。

スピードは3種類でMy Golf  Spy.comのと同じ、3フィートオーバー、6フィートオーバー、9フィートオーバーの3種類で、エイミングとしては、ピンの中心、ピンの左右の端の位置に照準したもの、それからその間の位置に照準したものの5種類、さらに上りのラインと下りのライン、サイドライン、という実験を、2種類の違った芝のグリーンで行った、と書かれていました。
そればかりか、ピンが手前方向に傾いている場合、向こう側に傾いている場合、横向きに傾いている場合、なども想定してテストしたと書かれていました。

さすが元NASAの Researcherです。いつもながら半端ないです。

そして、そのほぼすべての条件において、ピンは立てたままの方がカップインしやすい、と結論付けています。

以前私のブログにも、ペルツ・コーチの実験をご紹介しています。
ご参考まで。 ↓

     「ピンフラッグは「抜かずにお願いします。」の巻


ゴルフのマッド・サイエンティストとの異名を持って呼ばれているブライソン・ディシャンボーはデーブ・ペルツの本は熟読していますから、このデータは当然知っていての発言だったと思われます。


ですから、ピンは立てたままパットしましょう。・・・と結論すべきところですが、私はモリナリの実験も踏まえてちょっと考えました。



4/06/2017

ANAインスピレーションでのレキシー・トンプソンの4打罰ペナルティーの件


しばらくぶりの更新です。

先週のLPGAでレキシー・トンプソンに降り掛かったルール問題ですが、今週のマスターズでもひとしきり話題になっています。

女子のメジャー大会に数えられているANAで起きました。


ご承知の方も多いかとは思いますが、一応ことの次第を簡単にまとめておきますと、

最終日の日曜日、12番を終え13番に向かっていたレキシー・トンプソンのグループのところにオフィシャルが近づきまして、レキシーに4打罰が加わることを伝えました。

この時点でレキシーはソ・ユン・リュウに2打の差をつけてトップを走っていましたが、突然のペナルティー措置により、逆に2打を追う展開に激変してしまいました。

この後の6ホール、レキシーはキャディの協力もあって立て直し、18番で追いついてプレーオフに持ち込みましたが、最終的にはソ・ユン・リュウに破れ、メジャータイトルを逃してしまいました。


ペナルティーの内容は、1日前の土曜日の17番ホールの2フィートくらいのショートパットにおいて、ボールをマークして置き直してパットした際にボールをプレースする位置がほんの半インチくらい横にズレていたため、誤所からのプレーで2打罰、そしてさらに間違ったスコアカードを提出したためにもう2打の罰、という裁定でした。

間違ったっスコアカードについては以前は即刻失格でしたが、2012年のルール改正でプレイヤー自身が気付かず故意でなかった場合は2打罰、という風に改定されました。


オフィシャルがレキシーに近づいて4打罰の内容を告げたととき、最初の彼女のリアクションは「なにこれ? 冗談でしょ?」で、内容をよく聞いた後のリアクションも「こんなの馬鹿げてる・・・」でした。
そこからよく立て直して追いついたんですけどねー。


ビデオがありますので、御覧ください。





ボールをマークして’ピックアップし、ボールに書き込んだ線をラインを合わせるように向きを変えて置き直していますが、ボールを拭いたりすることもなく腰を折ってボールをピックしたそのままの姿勢で置いていまして、ボールの後方から見てしゃがんで置き直したりしていないんですよね。

そういう訳で、画面上でも微妙な位置の差、ズレが見て取れてしまいます。

これ、通常のプレーで拭き直したボールをカップとの延長線上の後方からマークのところに置き直していたらおそらく画面では位置の違いがわからないですよね。 カメラの位置も切り替わっているでしょうし。



で、まぁルールとしては4打罰で間違いはありませんのですが、大きな疑問が残ります。

まずは、タイガーやフィル、リッキーはじめ、殆どのツアー・プレイヤーたちがレキシーを支持していまして、フィル・ミケルソンなんかは取り消してタイトルをあげるべきだ、まで言っています。

これはですね、すべてのツアー上でのプレーに関するルール問題は PGA、LPGAのルール・オフィシャルとプレイヤーの中で完結するべきで、家でTV見ている視聴者(観客)が関与するべき事柄ではない、っていう考えに基づいているものです。 私もそう思います。


今回の問題でも私がものすごく納得行かないのは、視聴者が関わっていることもさておき、タイミングで2打、4打、0打と罰打の数字が変わってくる点です。
これは確か以前、『これがバンカーってのは、無いよなー。』という記事のコメント欄でも同じことを書きました。(...7年前ですね。)

件の誤所からのプレーは前日土曜日の17番で起きているわけです。
土曜日の17番がプレーされた時点ですぐに視聴者からの連絡があって、ルール・オフィシャルが確認した場合、その日のラウンド後のスコアカードを提出する前にオフィシャルがレキシーに通達したとしたら、誤所からのプレーの2打の罰だけで済むことになります。

しかし17番で起きるとその日のうちには間に合わない場合が多いかもしれません。
もし10番だったら間に合うかもしれません。
で、同じ行為に対してただ単に指摘されるタイミングによって罰打の数字が違ってきちゃって良いんでしょうか??

気がついた視聴者がいなかったら、誤所からのプレーの2打罰さえ付かないわけです。

また、指摘が日曜日にトーナメントを終えた後だったら、というケースもありえます。


もっとすごいのは、フィルが言うにはツアーではボールの置き直しはもっとテキトーにやってるプロもいて、1インチ半 (つまり4cm弱) もカップ寄りの前方に置いちゃってるやつも居るけど罰に問われてないよ、って話です。
(まぁ、この件は今回の本題とは別の問題ですが、ツアープロの間ではそういう認識なんだな、っていうことは頭に入れておいても良いと思います。)


ゴルフ中継には、TVに写っていない場面もたくさんありますしね。


私が思うには、モニター画面で中継画像を監視するオフィシャルを置いて、こうした画面で確認できるルール上のバイオレーションはそのオフィシャルたちがジャッジをして、即時に (自分ではルールを犯したことに気づいていない)プレイヤーに通達する。そしてそうでない限り不問に付す、って言う措置で十分だと思います。

そうすれば、通知のタイミングによって罰打の数が違っちゃう問題も解消できますし、ツアーと関係ない単なる一視聴者の勝敗への関与も排除できます。

PGAあるいはUSGAが、なんでこんな簡単な解決策に持っていけないのか、理解に苦しみます。






2/08/2017

ブライソン・ディシャンボウのサイドサドルとUSGAの裏工作


ゴルフ・サイエンティストこと、ブライソン・ディシャンボウについては以前、同じ年にNCAAディビジョンのチャンピオンシップとUSアマチュアの両方を制した5人目のプレイヤーとしてご紹介しましたが、その後のツアーでの活躍を見るのは楽しいですね。

昨年の10月には来日もしてブリジストン・オープンに出場しましたが、残念ながら背中の故障で1日目の途中で棄権してしまいましたね。

写真元のサイトのページにリンクしています。


そのディシャンボウですが、そのブリジストン・オープンの頃から何年も前から試していたというサイド・サドル式のパッティング法をトーナメントの実践に投入し始めています。

サム・スニードが60年台に始めたサイド・サドル打法は、2010年にKJチョイがしばらく使っていたこともありましたよね。

でも、ディシャンボウのサイド・サドルはいわゆるポピュラーなサイドサドル式とはひと味もふた味も違います。

YouTubeに上がっている動画を見ていただきましょう。



左手で右腕をパターのグリップごと掴み、一体化させています。
左右の手が離れて使われるスタイルの多い一般的なサイド・サドル打法ではありませんね。

しかしながら、カップとボールに正対して構える利点は活かされています。


今回取り上げました騒動で問題になっているのが、ちょうどブリジストン・オープンのときに使っていたパターです。

こんなやつ。 ↓

クリックで画像元のサイト・ページにリンクしてます。



ところがですね、1月にカリフォルニアのLa Quintaで行われたCareerBuilder Challengeというトーナメントでディシャンボウにこっそり近づき、「そのパターはルール不適合にするから使うのやめないとDQ (競技失格)にするよ。」と通達してきたそうなんですね。

この記事 ↓ に、そう書かれています。
Bryson DeChambeau's desired putter ruled non-conforming by USGA, and he’s not happy


結局この時にディシャンボウが使ったパターは別のもので、パターヘッドのセンターではなくヘッドの後方の位置にシャフトが付いている別バージョンのものでした。

記事に乗っている写真のパターですね。 シャフトがパターヘッドの後方に付いています。

クリックで記事にリンクしてます。



・・・ここが分かりません。

USGA (とR&A) のルールにはそんなこと書いていないんですよね。


こちらにクラブのデザインに関してのルールが書かれています。

Appendix II  - Design of Clubs
http://www.usga.org/rules/rules-and-decisions.html#!rule-14323

このページの、2. Shaft の c. Attachment to Clubhead の項目に、

Exception for Putters: The shaft or neck or socket of a putter may be fixed at any point in the head.
パターについての例外:パターのシャフト、ネック、ソケットはクラブヘッドのどの部分に取り付けてもよい。

パターは例外だ、とはっきり書かれているんですよね。


件の記事には、USGAがディシャンボウに対して「君のパッティング方法自体も好ましくない。」と通達してきたというディシャンボウのコメントも書かれています。

つまりUSGAは、なんとかしてディシャンボウの取り組みを阻害したいって言うことのようです。
しかも裏でコソコソやるところがズルいですねー。


ディシャンボウの長年のインストラクターの Mike Schyは、
ディシャンボウはこうしたUSGAのやり方に失望しているとともに、決して屈することなくむしろ反骨精神は強まるだろう。という見解を述べているそうです。


今季のディシャンボウはハワイのソニー・オープンで49位タイに入ったあと、CareerBuilder ChallengeとサンディエゴのTorrey Pinesで行われた Farmers Insurance Openと予選落ちが続いています。

さすがに揉めている状態では集中もできませんよね。


応援して行きたいと思います。




3/16/2016

ゴルフルール上の「公正の理念 (equity)」


KIDさんの「究極のレッスン」が再開しましたね! 楽しみです。

---


先日、ゴルフ友達の方々とラウンド後に談笑していたときに、「前にさ、バンカーでボールが完全にもぐっちゃって見えなくなっちゃったことあったんだけど、ああいう時ってルール上はどうするの?」みたいなお話が出ました。

そこからの連想でちょっと思い出しましたことをメモ。

---


私のブログでは「ルールを楽しんで理解したい」という主旨のもとに「ルール関係」カテゴリーの記事をいくつか書いております。

日本ではどうしても武士道ならぬ「ゴルフ道」的な、迷った時は自分に不利なように処置をしておけば間違いない。・・・といった、実は間違った考え方がされる傾向にあり、ルールを詳しく知ることはゴルファーの責務だという肝心な点がなおざりにされがちだなぁ、と常々感じています。

そのことを、「ゴルフ道とルール解釈 (タイガーの件のboulder(大岩))」と言う記事の中でも、こう言う風に書いております。

ゴルフマスター(塾長)さんのブログに、99年フェニックス・オープンの最終日にタイガーが動かした1トンはあろうかという巨大なルースインペディメントのお話が出てきていました。

ルールについて 3.

そのすぐ次の記事では、「自分に不利になるように処置しておけば間違いないだろう」とか、「ゴルフ武士道」のようなものに則ってひたすら自分に厳しく処置をすれば良いと考えるのは早計である場合がある、というお話を書いていらっしゃいます。


私は実は常々、ルールは出来る限り正しく学び、ルールで許される範囲で最善の処置を為すことこそ、ゴルフと言うゲームを楽しむ & なるべく良いスコアをしようとする者のresponsibility(責務)であると考えています。

例えば、ラフにあったボールに対して何らかの救済を受けてドロップする場合、1クラブレングスとか2クラブレングスとかそれぞれルールで規定されている範囲の中で、フェアウエー部分とラフの部分と選択肢があったとしますね。ルール上はラフもフェアウエーもスルー・ザ・グリーンとされていて区別がありませんから、ルールの規定する範囲内であればフェアウエーになっている部分を選んでドロップすることはゴルフルールには反しません。

例えば泥がついたボールを、自分のボールのマークが付いているかどうか確認するため等ルール上の何らかの理由でマークしピックアップして元の位置にリプレースする時に、泥をクラブフェースが打たない側に向けて置くこともゴルフルールには反しません。(泥を拭ってはだめです。)

プレイヤーの責務は、ルールを良く理解し、ルールの中でベストのスコアが出せるように努力すること、であるべきです。


こんな記事も書いています。

ボールはあるがままにプレーすればいいってもんじゃないんだよ?!(裁定集から-3)


---


ゴルフルールには、プレーに関する規則 第3章に規則1から規則34まで、あらゆるプレーに関するルールが規定されています。

しかし、それだけでは判断がつきにくいような過去に実際に起こった事例を逐一まとめたゴルフルール裁定集というものがありまして、分厚い冊子が発行・発売されていますし、ウエブ上では無料で公開されています。

読み物として、すごく面白いです。

裁定集の中には、実際に起きたとは信じられないような例がいくつも載せてありまして、例えば「ボールを打ったら真上に上がり落ちてきてクラブフェースにたっぷりと付いた泥の上に落ちてくっついて止まった」とか、「誰かが旗竿をいたずらでグリーンの外に突き刺していた」とか、「旗竿の旗にボールが引っかかる」とか、

・・・マジか?って思いますよね。


上記のリンクにあります、タイガーがフェニックスオープンで500kg以上もあろうかという岩をルースインペディメントとして退けて救済を受けバーディーを取った件なんかは、裁定集には載っていません。 なぜなら、その50年も前に巨大な倒木をルースインペディメントとして大勢で取り除いて救済を受けた件がすでに載っていたからです。
タイガーは、当時若かったにも関わらずルールを良く勉強していたのだなぁ、と伺われます。

(逆にミシェル・ウィーは、色々とルール上のトラブルに見舞われた事件が多いことで広く知られていますが、彼女の場合はルールを良く知らず、自分なりの拡大解釈をしてしまうために起きたトラブルが殆どです。)


Page4_1.jpg (600×337)
Golf Canada, Rules of Golf


---


さて、いつものように前置きが長くなりましたが、

ゴルフとは面白いもので、裁定集にそれだけ事例が書かれていても、なおゴルフルールに規定された文章からでは判断がつきにくい場面が出てきます。
そういう事例も含めて裁定集に書かれているわけでして、裁定集を読んでいますと「公正の理念に基づき・・・」と書かれている項目をいくつも目にします。

以前私は、「バンカーにレーキ突き立てたヤツ誰よ?! (裁定集から-6)」というエントリーの中で、

どうも、英語でいう「equity」と、日本語でいう「公正の理念」の間には、
・・・微妙で深いニュアンスの溝があるような気がいたします。(笑)

って書いていますが、これは日本語としての「公正の理念」という言葉の響きが、どうも英語のequityとはニュアンスが違うなー、と感じたんですよね。

equityを辞書(小学館)で引いてみますと、こう書かれています。

理念って付くとちょっとニュアンスが違いませんでしょうか?
JGAの和訳は非常に的確なので、ケチを付けるつもりはないのですが、「公正の理念」っていう訳語が誤解を生みやすくしているような気がしてなりません。

しかしこれは言葉としてのイメージのお話でして、ゴルフルール上のJGAの和訳「公正の理念」と、R&A、USGAがルール上で言う「equity」は全く同じ意味です。


そして実はJGAのホームページにも、「公正の理念」に関するコラム (←クリック) が載せられていまして、
ゴルフ規則には公正の理念という考え方があり、規則に関する紛議について公正の理念を用いて裁定する場合があります。 
しかし、この「公正の理念」という言葉が必ずしも正しく使われていないようです。
と書かれています。


リンク先を読んでいただけると明確になりますが、「公正の理念 (equity)」は、実のところゴルフルール上で規定されている言葉です。


ゴルフ規則 (Rules of Golf)   におきまして、

第3章 プレーについての規則   の、

規則1 ゲーム   の中に、

1-4 適用できる規則がない場合
規則に関する争点について適用できる規則がないときは、公正の理念に従って裁定がなされるべきである。


と書かれています。

つまり、ゴルフルール上で言うところの「公正の理念 (equity)」とは、『ゴルフルールに規定がない時に裁定集も熟知した競技委員が新しい事例について判断をする際に考え方の拠り所とするもの』なんですね。
裁定集にすでに載っているような事例を自分勝手に武士道的に解釈するものではない訳です。


こちらの裁定集の第3章 規則1-4のところに、個々の事例がある程度まとまって載っています。 面白いですよー。
    ↓

適用できる規則がない場合(公正の理念)  (←クリック)

1-4/2 打球がクラブフェースに付く
1-4/3 ホールから離れた所に旗竿が突き刺してあった場合
1-4/9 ストロークの妨げとなる鳥の巣
1-4/11 危険な状況とは


このリンクのところに書かれているもの以外の (違うところに書かれている) 面白い事例としては、


6-3a/3   マッチプレーで、ふたりともスタート時間に遅刻した場合。方や1分の遅刻、もう一方は3分の遅刻。

→  公正の理念(規則1-4)に従って、1番ホールは (両者このホールの敗けとし) ハーフとみなされ、マッチは2番ホールから始めることになる。



33-2b/2  パッティンググリーン上のホールの近くに球が止まっていたのに、そのホールの位置を変える場合

→  プレイヤーAのボールが50cmについていた。そこにプレイヤーBのボールが飛んできてホールを直撃して破壊したため カップを切り直さざるを得なくなった。
公正の理念(規則1-4)に従って、Aのボールは新しいカップから50cmの似たようなライに置かれるべき。Bのボールはあるがまま。



19-5/5   初めの球が暫定球に当たる (暫定球を打ったら最初に打った方のボールに当たって初めのボールを動かした、って意味です。)

→  公正の理念に従うとともに(規則1-4)、規則19-5aより類推して、プレーヤーは、その球をあるがままの状態でプレーしなければならない。



なんかニュアンスが分かったような気がしてきますね!? (^^)



---


とても貴重なコメントを頂きましたので、追記としてここにコピーしておきます。
(コメント欄までご覧にならない方もいらっしゃいますので。)


thinkputt said...

ぴったりと適用する規則がないものについては、規則1-4にある「適用できる規則がないときは、公正の理念に従って裁定がなされるべき」となります。
実は、この一節はゴルフ規則の中でも最も難解(←あくまでも私の意見)で、かつ最も誤解されている文言だと思います。

R&Aの原版の「in accordance with equity」をJGAは「公正の理念による」と翻訳したため、日本語の『公正』という字面に惑わされてしまい、一体この一文が何を言わんとしているのかの正確な内容がほとんど(or全く?)理解されていないのです。(日本のゴルファーはまず間違いなく「みんなにとって一番公平(fair)と思われる内容で裁定するってことじゃないの?」と答えるはずです)
英語圏の人達にとっても「equity」という単語は日常的な言葉ではなく、なかなか掴みどころがないのですから、ましてや非英語圏の人間にとっては何をかいわんやとなるのも仕方ないことでしょう。

equityがルールに最初に登場したのは1891年R&A規則ですから、その当時(及びそれ以前)にby equityとはどういう意味を持っていたのかが解釈の原点になります。
当時の人にとって、規則rules(=法律law)→紛議dispute→エクイティequityとくれば、連想するのは、一般社会での訴訟における、Common Law裁判では救済されない紛議を取り扱うエクイティ裁き(衡平法)のことです。

コモン・ローとは古くから英国圏で行われてきた法体系であり、別名「不文法」とも「判例法」とも呼ばれることから分かるように、現代の我々が慣れ親しんでいる法律(成文法)とは異なり、所謂「法典」といったものがなく、あるのは判例集だけであって、その判例を積み上げた合意を基盤として法を運用し判決を出す法制度のことです。社会を構成している共通の原理や慣行、慣習といったものは当り前の不文律だから、そんなものをわざわざ法典に入れる必要はないという概念です。従って、成文法では「法に書いてない行為は違反にはならない」のですが、コモン・ローでは「法(判例集)に書いてない行為でも共通の原理や慣習に反するものは違反である」となるのです。

ゴルフの最古の13ヶ条ルール(1744年)を見ても分かるように、現代以前のルールには原理・原則といったものは書いてなく、書いてあるのはトラブルになった時の対処方法ばかりで、あたかも「判例集」とも取れます。このことからゴルフ規則は正にコモン・ローであることが分かります。

コモン・ローを補間する役目としてのエクイティー裁きは、国王の側近である大法官が、コモン・ローのベースとなっている不文律の原理原則や慣習を踏まえ、公平と柔軟性とに重点を置いて、最後には(大法官が)めいめい自分勝手な良心に従って(独断と偏見をもって?)判決を下すというものでした。

以上のことから、ゴルフ規則1-4の「in accordance with equityでの裁定」とは、ゴルフの精神を踏まえ、規則や裁定集にある類似の事例との整合性等も考慮に入れながら、最後には権威者(=競技委員長)が独断と偏見をもって裁定する意味であるとの結論になります。
ゴルフに関するQ&Aサイトにあった回答にも次のように書いてありました。

Achieving the fairest outcome did not mean do the fair thing (although the word clearly derives from “fair”), it meant create a rule to cover this situation that will be as fair to all parties as possible. That concept worked its way into the rules of golf to provide a way to address situations that were not covered by the written rules. It does not look for the fair solution from the disadvantaged player’s perspective, it looks for a balanced solution. Often, the balanced solution will actually seem unfair to a particular golfer. (See for example decision 1-4/7)

The USGA says equity means to treat like situations alike, not do what is fair. If a situation is not covered by a specific rule, then ask how the rules treat like situations, and treat this situation the same. It does not say find the solution that is fair to the player because he got dealt a raw deal. Raw deals are part of golf. Rule 1-4 is intended to provide a way out of a situation that the rules do not address, not out of a bad situation.

Rule 1-4 is not a catch-all rule, it is a safety valve. Without it players would be forced to quit a round when encountering an uncovered situation.



3/04/2013

タイガーのロストボール at Honda Classic


アンカーリング禁止の問題ですが、LTE (欧州女子ツアー)もアンカーリング禁止に賛同する姿勢を表明しましたね。

これで、欧州ツアー、英国プロ協会、ならびに LTEは禁止に賛同。
一方の米国では、PGAツアーとPGA of Americaがアンカーリング禁止に反対を表明、LPGA (米国女子ツアー)はいまだ態度を保留。

ちょっと混沌として来ました。


JGAとか、日本ゴルフツアー機構とかは態度表明していましたのでしたっけ?

今後も目が離せません。 (私自身はアンカーリングのパター使っていないんですけども。)


***


先週末のホンダ・クラッシックの3日目、すごい珍しいシーンをみました。

この大会は、池が多いフロリダのPGAのコースですしカップ位置が池ギリギリのホールも多かった上に、風が強目に吹いたこともありまして、数多くの池ぽちゃを目にしました。 3日めだけで15個とか池にボールが入ったんだったかと思います。


池越えの17番ホール197yでタイガーの打ったティーショットは、風に戻されたそうで(タイガー談)、グリーン手前の斜面に落下したように見えました。

スプラッシュや、波紋は全く見えませんでしたので、おそらくラフにズドンと刺さっていることかと思われます。

画像をクリックで元サイトにリンクしてます。


キャディさん、同伴のキャディさん、タイガー自らと、総出でボールを捜索。

Tiger can't make a charge at Honda Classic

記事にも書いてありますが、5分は軽くオーバーしたんじゃないかって時間捜索は続きましたが、結局見つからず。

こういうのは不運としか言い様がありませんが、全盛期のタイガーには起きなかった現象じゃないでしょうか。

画像をクリックで元サイトにリンクしてます。


この間、タイガーのショットのTV映像を、私も即座に巻き戻して何度も見ました。

スロー再生の場面をさらにコマ送りにして見てみたりしましたが、空中からグリーン付近に落ちてくるまでは画面にはっきり写っているボールが、グリーン後ろの観客席の高さぐらいに落ちてきた辺りで忽然と消えてしまい、落下地点がどこか全くわからないのです。


この時の動画をyoutubeで探しましたが、上がっていないようです。


コースの状況としましては、流石PGAのコース、グリーンの後ろに巨大スタンドがありまして、何千人の目がボールに集中していたんだろう?と言う状況。


昨年の最終日の写真で、ピンの位置やティーの位置が違いますが、写真としてはこんな感じのホールです。  ↓

画像をクリックで元サイトにリンクしてます。


結局 ロストボールになりまして、タイガーは元のティーまで係員のカートで送ってもらって戻りまして、打ち直しになりました。

タイガー、一旦はグリーンから90yのドロップエリアに行ったのですが、無くなったのが一番上の写真の赤杭並びに赤線の上か下かすら判らない、ということで、197yのティーまで戻らざるを得なくなったのです。


ちょっと不運でしょう?

まともに池ぽちゃしたブー・ウィークリーとかは、90yを見事に寄せてボギー・セーブしていましたし、例えどんなに深く埋まっていて打てないとしても赤杭の中だったとしても、カップに近づかない位置に1打罰でドロップしてチップショット、パーとかボギーを狙えます。

ホールは違いますが、16番のパー3でグリーン右及び手前の2mもあろうかという護岸の下の水の縁の僅かな砂地にボールが落ちたリー・ウエストウッドは、どう打とうかいろいろ画策した挙句に結局ウォーターハザードの処置をとって1クラブでドロップしましたが、あまりにグリーンと護岸と池がギリギリな設定のため、ドロップ位置はなんとグリーン上でした。

どんな状態であれ、たとえ池の中であれ、ボールの確認さえ出来ればもっとずっと良い措置がとれたのに。



ルールの事例的には何の変哲もないあまり面白みもない事例なのですが、

あれだけ大勢の人がグリーンの周りにいて、あれだけ大勢の人がタイガーのボールを見ていたのにボールがなくなり、あれだけ一所懸命に探したのに見つからないというのがとても珍しいと思いました。

ブッシュだとか木の中だとか、PGAのプロはみんなロストボールを経験しているでしょうけれども、スタジアム・コースの造りになっているコースの、大型スタンドが設置されているホール、しかもパー3でのロストボール、っていうのはかなり珍しいかと思いました。

ですから、捜索が5分を超えたのはよく理解出来ます。
時間超過で言えば、もっとずっと問題なスロープレイのプレイヤーが沢山居ます。


でも、ワールドランキングのトップに君臨していた時のタイガーには、こんな不運は起きなかったなぁ・・・と、時の勢いというものを勝手に感じた次第です。




1/18/2013

タイガー、アブダビで2打罰を受ける


PGAの2013年シーズンも開幕しましたね。

Abu Dhabi HSBC Golf Championshipでは、Nikeと大型契約を結んで今季から移籍したワールドランキングNo.1 プレイヤーのローリ・マキロイと、Nikeと大型契約を結んでいるすでにLegendのタイガー・ウッズの二人が初日・2日目にマーティン・カイマーと同組にペアリングされて話題になりました。

画像をクリックで画像元にリンクしてます。


あいにく二人揃って予選落ち、カットされてしまったのですが、ローリーの方はニック・ファルドが懸念していたように道具総取っ替えによる不調でしょうか?
慣れるまでしばらくかかるかも知れませんですね。

1日目を終了した後、パターをNikeのMethodから昨年まで使っていたスコッティ・キャメロンに戻した辺りに、調整の難しさが現れていると思います。

けっこう時間かかるんじゃないでしょうかね?


タイガーの方は、1日目出遅れた後、2日めには持ち直して予選通過するペースではあったのですが、5番ホールのボールの処置に関するペナルティーで2打罰を加算されまして、1打及ばずに予選落ちしてしまいました。

11番ホールで競技委員によってタイガーに2打罰の連絡が届いたそうです。



さてその問題のペナルティーになった事例の内容ですが、ルールには詳しいタイガーが処置を間違うくらいですから、ちょっと複雑です。


こちらが5番ホールの全景。 (下の動画からのキャプチャー画像です。)


タイガーのボールは、右側のウエイスト・エリアみたいな中のブッシュの浅い部分に飛び込んでいます。
ローリーは左のバンカーの縁、カイマーがフェアウエーの右サイドですね。


こちらに当日の中継の動画がありますので、見てみましょう。




どうやら放送の解説を聞いてみますと、つた植物の中の地面にボールが食い込んでいるため 出来るだけ近い場所に無罰でドロップしている、・・・という状況の模様です。

アンプレアブルであれば、クラブを持ちだして2クラブ・レングズ測って場所を選び、ドロップ位置を決めるはずですからね。


ちょっと分かりにくいのですが、地面に食い込んだボールが救済されるのはフェアウエーだけのはずです。

ルールブック上はスルー・ザ・グリーンは全部ラフもフェアウエーも関係無くスルー・ザ・グリーンとして扱われますので、唯一ルールブック上で芝の短く刈られた区域(すなわちフェアウエーのことです) が特定されて書かれているのが、実はこの地面にめり込んだボールの項目だけなんですよね。


もう一つめり込んだボールが救済されるのは、「異常なグラウンド状態」の場合かと思います。
通常は雨でぬかるんでいるケースが主だと思います。

動画ではどんな状態かまでは伺えませんが、かなりボールがめり込んでいて、マーカーのカイマーから見ても、「ああこれはドロップして良いね。」という状態だったのではないかな、と想像いたします。

本当にどういう状況でどういうジャッジだったのかは、今回の場合は私には判然といたしません。


しかしオフィシャルは、ここをバンカー内とジャッジした模様です。



これ、なんか思い出しますねー。

2010年、ウィッスリング・ストレイツでのPGA チャンピオンシップ(全米プロ)最終日の18番ホールでダスティン・ジョンソンにペナルティー架せられたあの出来事です。

その時の記事。 ↓

これがバンカーってのは、無いよなー。
デイビッド・プライス氏側の説明

あの時は、オフィシャル(デイビッド・プライス氏)が問題の18番の件以外でも、別の16番ホールでバンカー内のルースインペディメントをどけても良いと(ルール上 大間違いの)発言をしたとか、もうグダグダで後味の悪いジャッジでしたが、今回のも微妙ですねー。

面白いのは、あの時ダスティン・ジョンソンに追いつかれることなくプレーオフの末にバッバ・ワトソンを下して優勝したのが、今回のタイガーのマーカーだったマーティン・カイマーだったんですねー。
因果でしょうか。


バンカー作るんなら、もっと伝統的なバンカー作って欲しいですね。
じゃなけりゃ、こんなのは全部ウエイスト・エリアに指定すべきだと思います。

こんな長々した馬鹿でかい、均すためのレーキも置いていない、木やつる草が生えてる区域をバンカーとするなんてのは断じて間違っています。


再来年またバンカーが1,200個あるウィッスリング・ストレイツでメジャー大会が開かれますが、きっとまたなんか起きますね。


ちなみにですが、バンカー内に生えている木や植物はルール上、バンカーではありません。
生えている以上、ルースインペディメントでもありません。



今回の場合、タイガーが取るべきだった措置は、バンカー内なので自分のボールの確認のために少しだけ砂を払い除く、そしてそのまま埋まったボールを無理やり打つか、もしくはアンプレイアブルを宣言して1打罰を払いバンカー内で 2クラブレングズ以内のホールに近づかない位置にドロップする。 ということだったとなりますでしょうか。
(そのドロップした位置が、つる植物の葉っぱの上だったらバンカーじゃないですから再ドロップですね。 ・・・馬鹿げてます。)


タイガーには結局、誤所からのプレーの2打罰と、バンカー内でボールをピックアップした1打罰が違反になりますが、一つの行為で同時に2つの違反が重なったため、高い方を取って 2打罰となります。


さらにちなみにですが、誤所からのプレーは、(すごく近づいて有利になったなどの)重大な違反が無かった場合には最終ホールのパッティンググリーンを離れる前までに罰打を加えてスコアの修正をし、ストロークのやり直しをせずにスコアとします。



デイビッド・デュバルも今年からNikeと契約してツアーカードの再取得を目指しているそうです。

     応援します!


---


追記:

パット・エイミング教本細貝さん から、メールをいただきました。

私はローカルルールを把握しないでTVを一部見ましたので今回なにが起きたのか謎だったのですが、サンディエガンさんのコメントと、細貝さん のメールで、ようやく理解出来ました。

(本来の) ルールでは限定的となっている救済を、多くのゴルフ場ではローカルルールで「スルーザグリーン」に広げる緩和策を取っています。日本のゴルフ場のローカルルールは、無条件に全てのスルーザグリーンでの救済を認めるようになっていますが、コース内に砂丘やウエイストエリアなどを抱える欧米(&中近東?)のゴルフ場では、この(球食い込み)ローカルルールに『ただし砂地を除く』という但し書きを付加していることが多いとのことです。 
アブダビのコースのローカルルールも「砂地を除くスルーザグリーンでは食い込み球は無罰でドロップできる」となっていたのです。タイガーの球が食い込んでいた箇所は(つる草状の)草がぼうぼうのところでしたから、タイガーは「スルーザグリーン」だと思い、競技委員を呼ぶことなく、食い込んだ球をピックアップしてドロップしてしまったところ、後から、あの場所は「砂地」だと判定され、2打罰となったのです。 
アブダビのローカルルール(英語)がどう書いてあるのか調べてないのですが、テレビ中継での日本語の説明を聞く限り、あの草ぼうぼうの場所を「砂地」だと言うのはタイガーに酷ではないかと思われます。多分、ローカルルール(又は競技規則)の原文では、救済の対象が「スルーザグリーンただしウエイスエリアは除く」というような表現になっていたのではないかと想像します。

気になったルール解釈は、いつも考えてみるようにしています。

ありがとうございました!




11/28/2012

USGA、アンカーリングの禁止を提案


ついに具体的に動きましたね、USGA。

↓  クリックで、USGA.orgの当該記事にリンクしています。



USGAとR&Aが、今年初め頃から懸案に上がっていた中尺・長尺ロングパターの使用に関してどう扱うかという件で、一応の方向性を決めたようです。


内容としましては、中尺・長尺パター自体の使用ではなく、パッティングの際の「アンカーリングの禁止」と言う提案になった模様です。

具体的な文言としては、ゴルフルール14-1の変更という形です。
(正確には、現行の14-1を14-1aとし、14-1bにアンカーリングの禁止を謳う「追加」になるようです。)

上記のUSGAのサイトのリンク先に書かれていますので、コピーしてみます。

Proposed Changes to Rule 14-1
The proposed change would relabel current Rule 14-1 as Rule 14-1a, and establish Rule 14-1b as described below:

14-1b Anchoring the Club
In making a stroke, the player must not anchor the club, either “directly” or by use of an “anchor point.”
Note 1:  The club is anchored “directly” when the player intentionally holds the club or a gripping hand in contact with any part of his body, except that the player may hold the club or a gripping hand against a hand or forearm.
Note 2:  An “anchor point” exists when the player intentionally holds a forearm in contact with any part of his body to establish a gripping hand as a stable point around which the other hand may swing the club. 



14-1b クラブをアンカーリングする
ストロークを行う時、プレイヤーは直接に、もしくはアンカー・ポイントを使うことによって、クラブをアンカーしてはならない。

注記1: プレイヤーがクラブまたはグリップしている手を故意に体の一部と接触させてホールド(掴む)するとき、クラブは“直接に”アンカーされる。  しかしプレイヤーがクラブやグリップしている手を前腕部に対してホールドしたときはこの限りではない。

注記2: プレイヤーが故意に前腕を体の一部に接触させてグリップする手を固定させるポイントを作り、もう一方の手でクラブをスイングするとき、“アンカーリング・ポイント”が生じる。


一応、なるべく忠実に訳しておきました。
(Anchorの単語はそのままアンカーで訳してます。日本語として分かりにくくてすみません。)


こちらは、今の時点では4年に1度行われているルール改正においての「proposal (提案)」がなされた、という状態です。

最近の改正は今年(2012年)の1月に行われたばかりで、スタンス後に風でボールが動いた際のルールが変更されたことは記憶に新しいですから、次回の改正は2016年の1月になりますので、3年と少し後のその時に改正される方向で調整されていくというとこですね。



私個人的には、新溝ルールの時みたいに「まずPGAツアーのみで禁止」とか、シニアツアーではOKとか、(1ボール条項とかのように) プロとアマチュアのレギュレーションを分けるとか、っていう方向性を予想していたのですが、ゴルフルール改正に盛り込むということは一律全員に適応させるということになりますね。

ちょっと驚きました。

ゴルフ業界の経済的な活性化にもロングパターは一役買っていたことは事実ですし、腰痛を抱えたシニアのプレイヤーに広く受け入れられ、プレーできるゴルフ寿命を伸ばすことにも一役買っていたと認識していましたので。


また一部には、中尺・長尺ロングパターという道具自体を禁止にするとかの噂もありましたが、そうはならなかったようです。

で、道具は禁止じゃないとしたらどうやって使うのだろう?っていう疑問も湧きますが、

米国トップアマのランディ・ハーグ氏のように、長尺パターを使いサイドサドル方式でストロークするにもかかわらず、どこにもアンカーリングしていないパッティング・スタイルのプレイヤーも存在しておりますので、それなりに活用法はあるのかな、と思ったりしました。


今後約3年間でどのように調整されていくのか、注目ですね。


※ 追記: どうもこの発表と並行して、PGA及びヨーロピアンツアーのプロ競技に関しては来年度からすでに禁止にしようという意向になっている様子ですね。


---


さらに追記。

USGA.orgのサイトに、分かりやすい図解入りの説明も出ました。
クリックして、リンク先をご覧になってみて下さい。

画像をクリックで元画像にリンクしてますので拡大で見られます。

*リンク切れしてしまいましたので、別のところのを貼っておきます。


---


ついでに日本語のゴルフ用品界のサイトにもさっき(11/30)記事が出ましたので、リンクを貼っておきます。 ご参照下さい。

アンカーリング禁止って何?Q&A



---


Golf Channelのサイトですが、プレイヤー数人やPGAの会長、オデッセイやLPGAなどの反応(コメント)が、こちらに載っています。

What They're Saying: Golf's Heavy Hitters React



同じくGolf Channelのサイトに、なんと1924年に遡るロングパターの歴史もトピックされていましたので、リンクしておきます。

How it all began: A history of the long putter



8/09/2012

フィルの新パターは日本経由


こちらのGolf.comの記事はとても面白い内容でした。

Phil Mickelson's new Odyssey putter has Japanese roots, complicated history 」


記事によりますと、フィル・ミケルソンが先週のオハイオ州アクロンでのWGC-Bridgestone Invitational の金曜日のラウンドから投入して使っているそうなんですが、オデッセイのパターです。


画像をクリックで記事にリンクしています。



内容をかいつまんでおきますと、

全英オープンのロイヤルリザムで予選落ちした後、余った時間にキャラウエイのクラフト・サービスをやるトラックの中を徘徊しているときにこのパターが目に入ったのだそうです。


Odyssey ProType 18ix というパターなのだそうですが、日本仕様で日本でしか扱っていないそうなんですね。
誰か全英OPに出場した日本のプロが使っているということなんですかね?


トゥの高くなっているデザインや、ホワイトホットの様なインサート、とにかくいきなり惚れ込んじゃったらしいです。

しかしさすが日本仕様モデル、・・・右用しか無い。


そこで、キャロウェイ・ゴルフの主任デザイナー、Austie Rollinson氏に頼んで造ってもらったということなのだそうでして。
2-3日で造ってしまったらしいですよ。


アジャスタブルのウエイトも色々と1時間程度も試行錯誤した結果、写真のように15gを両方に入れることに。

ネックの微調整も施して、以前のL字パターと同じ  ライ角 74度 / ロフト角 3度に調整されているそうです。


トーナメントの最中の金曜日からバッグに入ることになり、週末の決勝もこれでパットして気に入り、今もこのパターを使っているそうです。

あまりにあっという間に実践のバッグに入ることになって驚いた、とRollinson氏が話しています。



記事を丸々意訳しただけですが、すごく面白い記事ですよね。(^^)


※追記:  ちなみに、PGA Chanpionshipの最終日には既に違うL字パターを使ってましたね。


---



ちょっと気になったルールの記事。

マウスピース着用で失格…直道トホホ


↑ これって、本当に違反に裁定すべきなんでしょうか?

裁定集の規則14-3 を読んでも、明確に違反であると判断されているとは思えません。


本人が、飛距離が伸びたという自覚があるんなら まぁ違反とジャッジされてもいいですけど、

私としては・・・、


じゃぁ入れ歯は?とか、

いろんなプレイヤーがパフォーマンス向上を信じて身に着けている、ファイテンのネックレスは?とか、

さらにはゴルファー御用達のブレスレット、サボナ とか パワーバランス とか


・・・はどうなの? スコアアップを謳ってますし。


などと、かなり「???」な状態に陥らざるを得ません。



どう思います?


---


追記:  8/12/2012

パット・エイミング教本の細貝さんからメールで教えていただきました。

マウスピースについては直道が最初の事例なわけではなく、JGA独自で作っている裁定集にすでに載っているそうです。



一方、USGAの裁定集には載っていなかったのですが、調べてみました。

Pure Power Mouth Guard Endorsed by PGA

2010年の7月のarticleですが、"TMJ issues (アゴ関節の不具合)" があって歯医者さんの診断書をもらっていれば、Pure Power Mouthguard を使用してよろしい、ということになっているようです。

プレイヤーのロッカーに貼り出されたと書いてあります。

周知徹底していたので、プレイヤーが知らずに失格とかの事態が起きていなかったため、裁定集にも載っていなかったのですね。

PGAにも使用しているプロが居るようです。


アゴ関節に全く問題がない人なんて少数派でしょうから、実質は大半の人が使おうと思えば使える状況にある様子です。


細貝さん、教えていただいてありがとうございます。(^^)



ファイテンやパワーバランスについても今度調べてみます。



5/14/2012

2012 プレイヤーズ・チャンピオンシップ


ケビン・ナの話題は以前、「空振り?素振り?Kevin Na」って記事でやりまして、PGAでもダントツトップのスロープレイヤーだって話を書きましたが、あの時はジャスティン・ティンバーレイク招待での初優勝でしたのでそんなに話題にはなりませんでしたが、

今回は準メジャーのプレイヤーズ選手権で3日目まで首位の活躍を見せたために、非常に大きな話題になりました。



こちらが代表的な記事です。

Exactly how sorry should we feel for Kevin Na?


画像をクリックで元記事にリンクしています。


今回は、あまりにもスロープレーが目立っていたためかどうか、ギャラリーからも相当な野次が飛んでいた模様です。

Hit It! とか、Pull the trigger! とか。


もう、この動画とか見ても、くっそ遅いですよね。
(パッティングの時は、大概もっと長いんです。)


※閲覧注意して下さい。 あなたのリズムがおかしくなるかも。



もう、ちょっと洒落になっていませんけど、これがほぼ毎回ですからね。 

記事にありますが、本人の中でもかなり気持ち上のバトルは一応、ある模様です。 イップスに近いんですかね?

でも、こっちに言わせれば、ゴルフ界のためにもちゃんと治してからツアーに出てくんないかな?って思ってしまいます。

結局、最終日にケビン・ナは失速。(その方がゴルフ界にとっては良かったと思いますが。) 


13番ホールで池ぽちゃをした際には、ギャラリーから有名なSteamの「Na Na Hey Hey Kiss Him Goodbye」を歌われた模様です。

  "♪ Na na na na, na na na na, hey hey hey, goodbye! ♪"



ここまで来ますと、ちょっとかわいそうになって来ますが、実質まだなんのペナルティーも受けてませんしお金もたくさん貰えてますから、そんなにかわいそうに思わなくてもいいでしょう。

本人のコメントに、 「一般のアベレージ・プレイヤーは、我々PGAのプロがどれだけのプレッシャーを受けてプレーしているか知らない。」とかうそぶいてる部分がありますが、

平均19秒で打っちゃうリッキー・ファウラーだってプレッシャーは同じだろ?って思いますわね・・・。


なんでそこでアマチュアのアベレージ・プレイヤーを馬鹿にする必要があるんでしょうか。  
理解を示すよりは、「下手でも、お前より早いわ。」って思う人の方が多いんじゃないでしょうかね。 (笑)


タイガーも、PGAプレイヤーのスロープレイにはちゃんとペナルティーを科すべきだ、とインタビューに答えていますね。

  Tiger says Tour pros should be penalized for slow play


PGAで45秒ルールを設定している以上、ペナルティーは科すべきだと、私も思います。  (前は40秒じゃなかったっけか?)


~~~


優勝したマット・クーチャーのインタビューは人柄が出ていて面白かったです。

 (2打差のトップで終盤を迎えて)

インタビュアー「どんなこと考えてました?」

クーチャー「『最後2ホール両方とも3パットしたらどうすんべ?』って思ったりしましたよ。」

インタビュアー「それじゃ、我々とおんなじじゃないですか。」 

クーチャー「そうそうそう、みんなおんなじだよね。えへへへへ。」


クーチャーらしさが滲み出ていました。(^^)


~~~


クーチャーの今回のクラブのスペックが出ていました。

  http://blogs.golf.com/equipment/2012/05/winners-bag-matt-kuchar-bridgesteone-players-championship.html?sct=obnetwork

DRIVER: Bridgestone J40 (9.5°) with a Graphite Design DJ-6X shaft
FAIRWAY WOODS: TaylorMade Burner (14.5°) with a Mitsubishi Diamana Blueboard 73X shaft 
HYBRIDSPing i15 (20°, 23°) with Matrix Ozik Program 95 shafts
IRONS: Bridgestone J40 Cavity Back (5-PW) with SteelFiber i95 Constant Weight S shafts
WEDGES: Bridgestone J40 (52°, 60°) and Titleist Vokey Design Spin Milled (62°) with True Temper Dynamic Gold S400 shafts
PUTTERS: Rife Barbados Belly
BALL: Bridgestone Tour B330-S




11/14/2011

ジョン・デイリー、ボール手持ち切れでWD


このニュース、日本でも話題になっていますでしょうかね?


画像をクリックで記事にリンクしてます。


まぁ、ことの経緯を記事からかいつまみますと、先週末行われたオーストラリアン・オープンの大会中の木曜日の初日のプレー中、11番ホールでデイリーが勝手に棄権して帰っちゃったんですね。


そもそもは、10番でバンカーに入れそこで誤球のプレーをしてしまったことに始まります。
打ったのがこともあろうにレンジ・ボールだったという珍事が発端です。

誤球の2打罰に加えて3パット。 ここですでに半分切れてたわけですね。


怒り心頭のデイリー、次の11番ホールのセカンド・ショットで池に2発入れてしまったところで、気持ちが切れて訳わかんなくなったっぽいです。

結局、打ち直して、打ち直して、打ち直して、打ち直して、打ち直して、7発池に打ち込んだところで手持ちのボールが無くなり、

プレイング・パートナーだったハンター・メイヘンとクレイグ・パリーと握手、スコアカードにサインして競技委員に渡し、さっさとホテルに帰った、ということらしいです。


ゴルフ・オーストラリアのトーナメント理事でいらっしゃるトレバー・ハーデンさんはこのデイリーの行為に怒り心頭。

今後、オーストラリアン・オープンには2度とデイリーを参加させない他、2週間後に行われる予定でデイリーも出場予定だったオーストラリアンPGAへの招待も取り消し、出場させないことにした、というようなことが記事には書かれています。



---



で、私思うのですが、

『途中で投げ出すなど言語道断。けしからん。』とか捲し立てられましても、ボール無いのにどうすんのかい?と。

通常、プロは3個~6個程度のボールをバッグに入れてプレーしていると聞きます。

むしろ、7個も入っていたデイリーは多い方なんじゃないかと思ったり。(笑)


プロの場合は(JGAのアマチュアとは異なり)現在はワンボール条項の下にトーナメントをプレーしている訳なんですよね。

同伴のプレイヤーがたまたま同じメーカーの同じ銘柄のボールを使用していれば(例えばタイトリストのPro V1とか)、ボールを借りることができて、それでホールアウトしておいて、次のホールまでには間に合うようにスタッフに補充のボールを持ってきてもらうとかは出来るかもなぁと思うんですが、

じゃなけりゃ、まぁプレーを辞めるしか無いんじゃないのかなぁと思ったりします。



そういえばルールブック & 裁定集には、「ボールが全部なくなったとき。」っていう判例は書かれていなかったと思います。

ボールは借りられるか?っていう裁定例は書かれていましたけれども。



件のトレバー・ハーデンさんは、『If you run out of golf balls, and you are acting in a professional manner, you will call a rules official and we will get the type of ball he is playing with and replenish his stock,

(ボールがなくなったとしても、仮にもプロらしく振る舞うならばルール・オフィシャルを呼んで彼がプレーしているのと同じタイプのボールを補充できるし、(我々にはその用意が出来ている。))』とかおっしゃっていますけどね。


現実問題、

そこで実際には一体何分待つことになるのだろうか?と。

そして、全プレイヤーの使用ボールを把握して全種類を用意しているのだろうか?と。

私には、いささか疑問に感じます。



そしてその問題の11番ホールですが、右側がずーっと池になっている528yのパー5で、男子プロなら2オンを狙って打ちますからその意味では確かに2オンするには易しくないホールですね。

画像をクリックでコースのサイトにリンクしてます。


同伴のクレイグ・パリーによりますと、『デイリーは、ちゃんと届くクラブを使っていたと思うけど、彼が思ってたより向かい風が強かったんだよね。2つ池ぽちゃして切れちゃった感じだったかな。』ってことでした。



数々のコース上での悪行の実績があるデイリーの肩を持つ気持ちはさらさらありませんが、

それにしても、オーストラリアン・オープンたる大会の10番ホールのバンカーに、レンジボールが入っているとはいかにも雑なオーストラリア、という感がしてなりませんですね。


さらにデイリーを逆撫でした要因としては、08年までは罰打を問われなかったバンカー内での誤球がルール改正により09年からは2打罰になっていた、ということもあろうかと勝手に想像いたします。
(勝手な想像で恐縮ですが、デイリーはあまりルールを細かくチェックして注意しているタイプには思えませんので。)



まぁ、ジョン・デイリーについては「いつもの平常運転」、という感じが致しますが、

ルール的な興味から、記事に取り上げてみました。


10/24/2011

R&Aによるルール変更 (アドレスの後にボールが動く)


今年の5月チューリッヒ・クラシックの最終日の15番、(写真の場面ですが)ウエブ・シンプソンが喰らったペナルティーをご記憶でしょうか?



優勝争いをしていて、1打差でトップのシンプソンはこの15番ホールのグリーンでアドレス後にボールが動いたと申告して1打のペナルティーを受け、プレーオフの末にバッバ・ワトソンに敗れました。

もしこの時に1打差を保ったままシンプソンが優勝していたとしたら、現在ワールドランキングNo.1のルーク・ドナルドを上回ってシンプソンが今年の賞金王を獲得していた。というサイド・ストーリーも記事には書かれています。


これは、ルールの中でも特に馬鹿げているルールとして知られて来て長年経っているルールのひとつでして、今回の改正はみな歓迎ではないでしょうか。


アドレス後に、風など明らかに自分の動きの影響では無い理由でボールが動いた場合はペナルティーは取らなくて良い、ということになりました。


今までにも、このルールが適用された例は数多く知られていますが、昨今のTVを観ていた一般人からの連絡で失格になったり、いろいろと昔とは違った事情が出てくる中でルールが少しづつ見直されていくことは良い流れですよね。



USGAからも同様のアナウンスがなされたという記事も出ています。

USGA and R&A change rules for wind moving ball




記事には、他にも変更されたルールが書かれていまして、

* 13-2のライの改善のルールに抵触しない限り、純粋にコースを綺麗に保つ目的であればショットを打つ前であってもいつでもバンカーの砂を均しても良い。

* プレーヤーが自分のスタート時間後5分以内にプレーできる状態でスタート地点に到着したときは、競技失格とはせずに、マッチプレーでは最初のホールの負け、ストロークプレーでは最初のホールで2打とすることができる。

ということになったようです。

(個人的には、後者の方は別に失格のままでもいいんじゃないかと思ったりしますが。)



また、アドレスの定義も変わったようですね。

上記の風で動いたボールの処置に絡んできますけれども。

新しい定義では、クラブソールをボールの前なり後ろなりにセットした時点でアドレスに入った、とするそうです。
(以前は、スタンスまで取ったところでアドレス、でしたが。)


記事には、grounding (地面に付けた) という表現が使われていますが、ソールを浮かしていればまだアドレスではないってことなんでしょうか?(←未確認)

ハザード内ではソール出来ませんから、スタンスを取った時点でアドレスのようですね。



※ 上記変更は、JGAのルール・ページにもすでに反映されている模様です。



肝心な点が抜けていました。(^^;

kobaさんがコメントで問いかけてくださったとおり、このルール改正は2012年の1月から適用されるそうです。


---


追記 (6・20・2016): 

2016年 オークモントでの US OPEN でダスティン・ジョンソンが受け入れたペナルティーに関しての私の感想は、こちらです。 ↓

http://yspz.blogspot.com/2016/06/blog-post.html




10/04/2011

空振り?素振り? Kevin Na


シンボリルドルフが亡くなってしまいましたね。

30歳ですから馬としては天寿を全うしたっていう年齢だと思われますけど、・・・好きだったなぁ。


---



では本題に。

先週のジャンスティン・ティンバーレイク招待で、ケビン・ナが優勝しましたね。

何度も2位があって苦労した末の悲願のPGA初優勝だったそうで、こういう感情こもったポーズになったらしいです。



ご存じの方はご存知と思いますが、この人はPGAでも指折りトップに挙げられるスロープレイヤーだったりします。

いつぞやの調査(今年のお話)では、50%以上のショットで規定の40秒を大きく超えているという常習犯で、ペナルティーが課されていないのはゴルフ界のためにならないと思わされるレベルです。


で、そのプレー振りっていうのは(パットの時に顕著なんですが)ショットの時に再三にわたって仕切り直しをするんですね。

何度も。
納得行くまで。

打つのかと思ったら、打たない。

キャディーにつきっきりで方向まで見てもらってセットアップして、・・・打たない。(笑)


まぁ、こういった説明は不要かもしれないのですが、この人はそういったことを日常的にやっているという経緯があって今回の珍事が起きました。


こちらがその記事 (と動画)。↓

Kevin Na Whiffs And Wins


3日目の15番ホールなんですけどね、見事なまでの空振りを披露しました。


動画はこちらでも。 ↓



まぁ、見たまんまなんですが。(笑)

どう見ても、申し分のない見事な空振りです。
ルーリングとしては、本人の申告通りに空振りではなく素振りの扱いになっています。


曰く、

「あのショットは仕切り直すべきだった。 僕はいつも仕切りなおしているんだけどね。」
「なにかがしっくりしていない、って感じたら仕切り直すんだ。」
「あの時はスイングに入ってしまってから、まずいと思った。それで、スイングを止めようとしたわけだけど、止まる訳はないからそのまま振って引き上げたんだ。」


ルール上、ボールをストロークして打つ意思を持って振ったのでなければ、ボールの位置にスタンスを取って素振りしてもストロークとは取らない、すなわち1打として数えないことになっているのは事実です。 意思ですから、本人の申告制ですね。


ともあれ、プロとして、これをやってのけてしまうナにはいろんな意味で感心してしまうといいますか、感心いたしません。(^^;



本人にとっては悲願の優勝かも知れませんが、ゴルフ界にとってはこの優勝は良い優勝ではなかったな、と(正直)思いました。



※ みなさんからも色々とご意見を伺うことができました。

私としては、この空振り自体については「ルール上もはっきりとストロークとみなさなくても良い」という結論で良いと思います。

しかしながら、ケビン・ナのスロープレー振りは普段から目に余るものがあり、このストロークではなくて時間遅延のペナルティーを受けるべきだと思っています。
40秒以内に収めようとしていれば、このような馬鹿げた素振りは起きないはずだとおもうのです。

3/08/2011

椰子の木の上のボール


土曜日は、うちのお嬢さんの誕生日でした。
Doll houseにてgirls onlyのtea partyをしたんですよね。

ちっちゃい女の子たちが、みんな好きなドレスを選んで着て、hair-do と make-up と、nail をしてもらって、ファッションショーをして、それからtea partyをするんです。


男の子とは全然違いますね。(^^)


---


先週のホンダ・クラシックで、非常に興味深いブログ記事がありました。


The Peculiar Case of Jerry Kelly and the Palm Tree
http://www.weiunderpar.com/post/the-peculiar-case-of-jerry-kelly-and-the-palm-tree


画像をクリックで記事にリンクしてます。


最終的に首位と2打差の-7で3位に入ったジェリー・ケリーに起きた珍しいルールの事例です。

PGAナショナルで行われたホンダクラシックの3日目、6番ホールで事件は起きました。


セカンドショットをミスってフックしてしまったところ、ボールが椰子の木の枯葉の部分に突き刺さってしまったんですね。

「あれ、引っかかんないといいなぁ。」って言っていたら、案の定落ちてこない。

ギャラリーが大勢見ていましたから、9分9厘椰子の木の上にあることは確実ですが、ルール上は“プレイヤー本人が”自分のボールであると確認できなければロストボール扱いになってしまいます。


双眼鏡を使ってみても見えなかったのですが、その場に居合わせたパームビーチ・ポスト紙のカメラマンAllen Eyestoneさんが高性能カメラを使って木の上のボールの写真を撮り、カメラの画面上で大きく拡大してみせたところ、ジェリー・ケリー本人が自分のスリクソンのボールに施した緑色の線の一部を確認できた、というのです。

写真は、カメラの液晶画面を見ているところですね。
(写真に写っている木は椰子の木ではありませんねぇ。)


ルール・オフィシャルのDillard Pruitt氏に、「ボールの確認、これでいいかな?」と、別なボールの緑のマーキングを見せつつカメラの画面を指さして聞いたところ、Pruitt氏は「十分な確認かどうか分からない・・・。」と答えます。

ジェリーがさらに、「これ、緑色に見えるでしょ?」と問うと、Pruitt氏は一旦「ああ、見えるね。」と答えますが、ヘッド・オフィシャルのSlugger White氏に意見を求めます。


この間、見ていたギャラリーからは、「確認してあげなよ、彼のボールなんだから!」とか、「おいおい、マジかよ?!」とか、やいのやいの野次が飛んだようです。
観客からすれば、俺ら見てたんだから。証人居るじゃん?!って気持ちでしょうねー。


White氏は、「よく見えない。」と言いつつ、さらにカード型の虫眼鏡を取り出して、カメラの液晶を拡大してみようとします。

画像をクリックで記事にリンクしてます。


White氏は、騒ぐ観客を黙るように一喝。

ジェリー・ケリーも観客に静かにオフィシャルに仕事をさせるように促しつつ、「見えるでしょ。緑色の線。」と繰り返します。

もう一度、若い方のPruitt氏に確認をすると、非常に弱々しい声で、「はい、見えます。」と答えたところで、ボールの確認が出来たという裁定を下しました。

結局木の下にドロップして、寄せて1パットのボギーでホールアウト。


と、書かれています。

(なんかね、ほとんど観客の勢いに流された感ありありですね。(笑))


これは非常に珍しいケースじゃないでしょうか。 木の上のボールは振り落として落ちてきたボールが確認できた以外で確認されたケースは殆ど無いと思われます。


私が思いますには、この例はルールそのものがちょっと不備だと思いますね。
ウォーターハザードの場合と厳格さに差がありすぎるといいますか。

個人的には、プロのトーナメントで、大勢の人が木の上に止まって落ちてこないのを確認していたら、“みなし”で処理しても問題なさそうに思います。


~~~


木の上のボールで私が思い出すのはニック・ファルドですね。

92年のUSオープン、ペブルビーチの14番パー5での、木登りです。
引っかかったと思われるオークの木の上に登ってボール探した(けど見つからなかった)んですよね。




99年のプレイヤーズ・チャンピオンシップではTPCソーグラスの6番ホールでボールが椰子の木の上に引っかかったのですが、同伴していたコーリー・ペイビンが間違いなく木の上に引っかかったと証言し、木の下にドロップしてプレーを継続してしまいプレーを訂正しなかったために失格になったこともありました。



ハイテクが生んだ、新しいゴルフのルーリングの事例になりましたね。


1/25/2011

コース・レイティング by SCGA


日曜日にバック9を練習に行ったときちょっと風邪気味だったんですね、例によって子供からもらいまして。

で、出掛けにリキッド・タイプの市販の風邪薬(Theraflu)ってのをグッとキャップに一杯飲んで出かけたんですよ。
25分ぐらいの運転で現地到着する間、胃がかーっと熱いなぁなんては思っていたんですが。

2ホール目の11番では4フィート(1.2m)ぐらいのパットをカップの左縁狙いで打ってリップ・アウト、外れたボールが軽く10フィートは行ってしまうとんでもないノーカン・パット。

3ホール目のティーでは、2番手でティーショットをしようかとポケットを探りつつ、「あ、あれ?」「ちょっと先に打ってて。」って言って無くしたティーを取りにバッグに戻ったんですが、いつもの反対側のポケットに入ってただけでした。

マークしようとしてボールは落とすし、ティーグラウンドにパター抜いて持ってたりしましたし、どうもねー、酔っ払い状態だったみたいです。(笑)
(自分でも「まさか。」と思いますが、どうやら。)

ああいうとき、ドライバーはけっこう上手く飛んでいくもんですね。
でも、チップショットとかパットとか、しっちゃかめっちゃかです。(^^;


日本ではお昼にビール飲んでプレーなさる方が数少なくなくいらっしゃいますが、すごいなぁ、とあらためて思った次第。

私はいくら1ティースプーンの分量とはいえ、運転前にリキッドタイプの風邪薬を飲んではいけないなぁ。 と認識したのでした。


---


なかなか見る機会のないビデオがメールされて来ましたので、みなさんにもご紹介いたします。

SCGA、南カリフォルニアのUSGA傘下の組織で、ゴルフコースのレーティングの評価を定期的に行っているコミッティーのお話です。

日本ではまだ導入されていなくて馴染みが薄いのですが、米国では全国的にスタンダードになっているスロープ・レイティングのお話は、私の記事でも何度か取り上げてきましたし、ラウンドをするたびに計算もしています。

ご参考記事 ->  「ベストスコアの不思議


SCGAでのスロープ・レーティングの導入は、1987年だったんですね。
システムとしては、私が思っていたよりも新しかったんですねぇ。


繰り返しになっちゃいますけど、スロープって言うのはボギー・ゴルファーを対象にしたコースの難易度を表した指標です。


コースレートだけですと、スクラッチ・プレイヤー(少なくともハンディ4以下ぐらい)を対象にした指標になりますから、難しいコースも易しいコースも私のようなアマチュアには大して変わんない2-3打しか違わない数字が並んでますから、指標としてはすごく実感湧きにくい、使いにくい数字になっちゃうんですよね。


スロープは、ボギー・ゴルファーに有用な指標に設定されています。
なんとも半端な(笑)、113を標準に55~155までの数字で設定されますが、実際には55~99って数字はあまり見ません。


私が受ける感覚的に言いますと、110を切るのはよほど桁外れに簡単なコースかいわゆるパー3ばかりの(日本でいう)ショートコースに100以下の数字が並ぶけど、普通のコースにはつかない数字です。


111-119ぐらいのコースはすごく易しい癒し系コース。
120-124ぐらいは隣のホールもセーフなムニシパルの箱庭系コース。
125-135ぐらいに大半のコースは入りまして、128を超えるコースはなかなかタフな難しめ、
130台のコースというのは、難関コース。
140を超えるとなると、超難コース。


って言うのが、私のイメージです。


~~~


で、こちらがSCGAから送られてきました、コース・レーティングに関するページのURLです。




非常に楽しげな感じのビデオがリンクされていますので、是非ご覧になってみてください。

考えて見れば当たり前なんですが、ただラウンドするわけじゃなくって、評価システムに基づいていろんな項目を測定・評価していくんですね。

今回ビデオに出演しているのは、ダグとマットのお二人ですが、基本的にはボランティアのトレーニングを受けたスタッフ・メンバーが、各コースを次々に評価していくのだそうですよ。


USGAからの要請で、各コース、少なくとも10年以内に1度は再評価をされなければならないことになっているそうで、SCGAでは7-8年に1回はどのコースも再評価がされるように計画して活動をしているそうです。


コース・コンディションは、良いシーズンの良い時期を想定してコースレートおよびスロープを評価するそうです。
全コースを最高のシーズンだけにチェックするということは不可能なので、その辺りは割引したり割増したり、調節する手法のノウハウがあるらしいです。

同じ南部カリフォルニア州内でも、例えばパーム・スプリングスにあるコースなんかは夏は40度をはるかに超えてゴルフになりませんから、ベストシーズンは冬になります。 今時が最高なんですよね。


指が凍えて感覚が麻痺しちゃうような日のラウンドは、ある程度スコアが悪くても当然なんですね。
あくまでも、コースレート&スロープは、そのコースのベストシーズンのコンディションを想定している、という観点からのお話ですが。


楽しいビデオですから、是非ご覧になってみてくださいね!